主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年1月20日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼19日(木)の為替相場
(1):日本2022年貿易収支 過去最大の赤字
(2):豪12月雇用統計 豪ドル下落
(3):ECB総裁 市場の観測をけん制
(4):BOE総裁 インフレについての見解
(5):複数の米経済指標発表
(6):FRB副議長発言
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:128円台を中心に推移か/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
19日(木)の為替相場
期間:19日(木)午前7時10分~20日(金)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本2022年貿易収支 過去最大の赤字
日本12月貿易収支(通関ベース)は1兆4485億円の赤字となった(予想1兆6700億円の赤字)。2022年通年の収支は19兆9713億円の赤字となり、過去最大の赤字を記録した。エネルギー価格の上昇や円安の影響で輸入が膨らんだ。
(2):豪12月雇用統計 豪ドル下落
豪12月雇用統計は失業率が3.5%(予想3.4%、前回3.5%)、新規雇用者数が1.46万人減(予想2.50万人増、前回5.83万人増)であった。弱い内容の雇用統計と受け止められて豪ドルは下落した。
(3):ECB総裁 市場の観測をけん制
欧州中銀(ECB)のラガルド総裁は、「インフレは高すぎる」として「目標(2%)に戻す取り組みを緩めない」との見解を示し、ECBが3月にも利上げのペースを緩めるとの市場の観測をけん制した。
(4):BOE総裁 インフレについての見解
英中銀(BOE)のベイリー総裁は「インフレは峠を越えた兆しが見られ始めている」「最も可能性が高いシナリオは、年内にかなり急速にインフレ率が低下することだと考えている。おそらく春の終わり頃から始まるだろう。エネルギー価格と大いに関係がある」と述べた。一方で「賃金上昇とひっ迫する労働市場がインフレの上振れリスクだ」とも指摘した。
(5):複数の米経済指標発表
米12月住宅着工件数は年率換算138.2万件(予想135.8万件、前回140.1万件)と、予想ほど減少しなかった。新規失業保険申請件数は19.0万件と予想(21.4万件)に反して前週(20.5万件)から減少した。米1月フィラデルフィア連銀景況指数は-8.9(予想-11.0、前回-13.7)だった。
(6):FRB副議長発言
米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード副議長は「インフレは最近緩やかになったものの、依然として高い水準にあり、これが持続的なペースで2%に低下することを確実にするには、十分に抑制的な金融政策をしばらく続ける必要があるだろう」と発言した。
19日(木)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:128円台を中心に推移か
昨日のドル/円は、日銀の緩和修正観測がくすぶる中で上値の重い展開となった。朝方の128.87円前後を高値に軟化すると一時127.70円台まで下落した。ただ、127円台では押し目買いも入り前日比0.4%安の128.44円付近で取引を終えた。本日は、日本12月消費者物価指数(CPI)が発表される。
日銀が重視する生鮮食品を除いたコアCPIは前年比+4.0%が予想されており、予想通りなら41年ぶりの高い伸びとなる。さらに上ブレすれば日銀の緩和修正観測を強める可能性もあるため結果に注目したい。その他、NY市場では米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が講演を行う。2月1日の連邦公開市場委員会(FOMC)前としてはFRBメンバーによる最後の発言機会になると見られる。
本日のドル/円は、これらの材料を消化しながら128円台を中心に推移しそうだ。引き続き上値の重い展開が見込まれる一方、下値では週末を控えたショートカバーが入りやすいだろう。
注目の経済指標:米中古住宅販売件数
注目のイベント:ウォーラーFRB理事講演
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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