主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年9月21日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼20日(火)の為替相場
(1):日本CPIコア指数 5カ月連続で+2.0%を上回る
(2):RBA議事録公表
(3):独PPI 過去最高の伸び
(4):米経済指標 まちまちな結果
(5):米2年債利回り 15年ぶりの4%が目前
(6):ECB総裁 利上げ継続の認識示す
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:焦点は、ターミナルレート/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
20日(火)の為替相場
期間:20日(火)午前6時10分~21日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本CPIコア指数 5カ月連続で+2.0%を上回る
日本8月消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除いたコア指数が前年比+2.8%と予想(+2.7%)を上回る伸びとなり前月(+2.4%)から加速。5カ月連続で日銀の物価目標である+2.0%を上回り1991年9月以来の上昇率となった。ただ、米国など他の主要先進国に比べると伸び率は著しく低い。なお、生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIは前年比+1.6%だった(予想+1.5%、前回+1.2%)。
(2):RBA議事録公表
豪準備銀行(RBA)は9月会合の議事録を公表。インフレについて今年後半にピークを迎えるとした上で「政策金利の水準が上がるにつれて、利上げ速度を緩やかにする根拠が強まりつつある」との見解を示した。また、今回の理事会では50bp(0.50%ポイント)と25bpの利上げについて議論したことを明らかにした。従来よりもタカ派色が後退している内容となった。これを受けた為替市場の反応は限定的であった。
(3):独PPI 過去最高の伸び
独8月生産者物価指数(PPI)は前年比+45.8%と予想(+36.8%)を大きく上回り、統計開始以来で過去最高の伸びを記録した。
(4):米経済指標 まちまちな結果
米8月住宅着工件数は年率換算157.5万件と予想(145.0万件)を上回った。同建設許可件数は151.7万件と予想(160.4万件)を下回り、約2年ぶりの低水準へと減少した。
(5):米2年債利回り 15年ぶりの4%が目前
米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に米2年債利回りが15年ぶりの水準である4%目前へと上昇する中、ドル/円も143.92円前後へと強含んだ。
(6):ECB総裁 利上げ継続の認識示す
ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は「インフレの長期化を許さない」とし「経済成長を制限する水準まで政策金利を引き上げる必要があるかもしれない」との認識を示した。
20日(火)の株・債券・商品市場
外為注文情報
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本日の見通し
ドル/円の見通し:焦点は、ターミナルレート
昨日のドル/円は米長期金利の上昇を受けて143円台後半へと強含む展開。米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策発表を前に米2年債利回りが4%目前へと上昇する中、143.92円前後までドル高に振れた。
FOMCは本日、75bp(0.75%)の追加利上げを発表して政策金利であるFFレートの誘導目標を3.00~3.25%に引き上げると見られる。もっとも、市場は75bpの利上げを完全に織り込み済みだ。
焦点は政策金利見通し(ドットチャート)で示される利上げの最高到達点(ターミナルレート)だろう。現時点で市場が予想するターミナルレートは4.2%前後であり、FOMCの見通しがこれを上回るか否かがカギとなる。FOMCの利上げプランが市場の想定以上に積極的な内容ならドルは一段高となりそうだ。
注目の経済指標
注目のイベント
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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