豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・豪中銀(RBA)がCPIのほかに注視するのが賃金指数。この賃金の伸びが前年比3%を超えるのをRBAは目安にしている。2021年10‐12月期前年比+2.3%(最新)。
・4月5日のRBA理事会で政策金利は0.10%で据え置いたが、声明文からインフレの高騰に対して「忍耐強く対応する」の文言が削除された。
・3月分の豪雇用者数は1.79万人増と堅調ながらも予想の3.0万人増を下回る。
・豪10年債利回り、3%台で推移中(4月27日)。
・WTI原油価格は1バレル=99ドル台まで下げる場面も見られたが、供給懸念が根強く1バレル=102ドル台まで戻す(4月27日)。
・中国、上海のロックダウンは解除の見通しはたっていない。しかし、新規感染者数が減少し始めたことで、厳しい措置の緩和の可能性が浮上。(4月27日時点)。
・4月27日発表の豪2022年1‐3月期 CPIは前年比+3.7%(トリム平均)とRBAの目標レンジ(2~3%)を突破。市場の予想(同+3.4%)を大きく上回る結果となった。
今日のメインシナリオ
5月にも?RBAの利上げ観測が豪ドル/円の底を支える。日銀会合は、一応警戒を
昨日の豪1‐3月期CPIは市場予想を上回る結果となり、ついにRBAが定めている目標レンジ(2~3%)を上回ることとなった。これまで、市場がイメージしていた利上げへの道筋は「4月27日の豪1‐3月期CPIと5月18日の豪1‐3月期賃金指数の結果をみて、6月に利上げ開始。」と言うものだった。ただ、昨日の豪1‐3月期CPIの強い結果を受けて「5月3日のRBA理事会で利上げ開始」の可能性が浮上している。一方、中国では上海のロックダウン解除の目途が立たないままだ。中国経済の減速やその影響を受けた世界経済減速の懸念は常に付きまとう。 そのため、豪利上げ観測が豪ドルの一本調子な上昇につながるイメージはなく、せいぜい下値を支える状況ではないかと考えている 。
本日開催される日銀金融政策決定会合は、豪ドル/円相場を支える要因となりそうだ。 日銀は4月26日に「4月27‐28日に連続指値オペを実施する」旨を公表している。 このため金利上昇を「抑える」指値オペを実施するその日に、金利上昇を「招く」ような政策変更を行うとは考えられない。 このため市場ではすでに政策変更なしを想定している。 予想通りの結果であれば、日豪の政策金利の乖離から豪ドル/円は底堅い推移となりそうだ。 あまり想定はしていないが、日銀がフォワードガイダンスを引き締め方向に変更する可能性もゼロとは言い切れないので、念のため警戒はしておきたい。
個別の想定シナリオ
■RBAの5月利上げ開始観測浮上
⇒豪金利先高観により豪ドルは下支えされる
⇒豪ドル/円は底堅い
■中国経済の先行き不透明感
⇒資源需要の減退懸念
⇒豪ドルにとってはネガティブ要因
⇒豪ドル/円の上値を抑える
チャート分析
今後の注目材料
中国経済減速懸念
日銀金融政策決定会合
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は曇り、豪ドル/米ドルは晴れ。豪ドル/円の移動平均で、6時に売りシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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