
執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2026年4月17日 16時30分
来週のドル円相場見通しは、期待感が交錯して方向性は出にくいかもしれませんが、テクニカル的には調整色が強い展開になる可能性があります。
ドル円、158円前半までの調整後に159円半ばへ切り返す
今週のドル円は、高値圏で調整を挟みつつも全体として底堅く推移しました。FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げに慎重な姿勢を維持する一方、日銀は緩和的な政策を続けており、日米金利差がドル円を下支えする構図が変わらなかったためです。中東情勢に関するニュースは散発的に出たものの、相場の方向性を変えるほどの材料にはならず、主にポジション調整のきっかけにとどまりました。ドル円は159.858円から158.268円まで下落した後、159.50円台まで持ち直す展開となりました。
(各レート水準は執筆時点のもの)
ドル円見通し:期待交錯で動意鈍い、新たな材料待ちか
来週のドル円は、高値圏で調整を挟みつつも、全体としては上方向を試しやすい展開が続きそうです。日本は新年度入りで、本邦勢による外債投資が活発になりやすい時期に入っており、円売りフローが出やすい環境が整っています。こうした季節要因は、引き続きドル円の下値を支える材料となります。 一方、中東情勢に関するニュースは続いているものの、市場の反応は以前ほど敏感ではなくなっています。トランプ米大統領の強気な発言が報じられる場面はあるものの、市場では慣れが広がり、過度に振り回されることへの疲れも見え始めています。トランプ大統領は、実際には深刻な事態にまで発展することを望んでいないのではとの見方も根強く、相場の関心は徐々に地政学リスクから離れつつあります。
そのため、来週は日米の金融政策や金利差といったファンダメンタルズが相場の主役になりやすい状況です。 ファンダメンタルズ面では、FRBが利下げに慎重な姿勢を続ける一方、日銀は緩和的な政策を維持しており、日米金利差は依然としてドル有利の構図です。この金利差が押し目でのドル買いを誘発し、ドル円の下支えとなる展開が続くと見られます。
ドル円テクニカル分析と戦略:三角持ち合いの行方は?
ドル円の日足チャートは、中長期的には50日移動平均線が上向きを維持しており上昇トレンドが続いているものの、短期的には160.466円をピークに上値を切り下げる調整局面に入っています。現在の価格は10日移動平均線付近で方向感を失っており、上値の重い保ち合い状態です。
テクニカル指標では、MACDがデッドクロスのまま下向きで推移し、ヒストグラムもマイナス圏にあることから、短期的な下落モメンタムが継続しています。投資家の売り優勢の心理がチャートにも反映されている状況です。
今後は、上値を抑える下降トレンドラインと158円台後半のサポートに挟まれた三角持ち合いの中で、どちらにブレイクするかが焦点となります。下抜ければ50日移動平均線(157.60円付近)まで調整が進む可能性があり、反対に下降トレンドラインと160円の節目を上抜ければ、上昇トレンドへの回帰が期待されます。
【ドル円チャート 日足】

予想レンジ:USD/JPY:157.200-161.900
2026年4月20日~4月24日の重要経済指標・イベントスケジュール
4月20日(月)
- 13:30 日本 2月第三次産業活動指数(前月比)
- 15:00 ドイツ 3月生産者物価指数(PPI)(前月比)
4月21日(火)
- 未定 米上院銀行委員会、ウォーシュ次期FRB議長の指名公聴会開催
- 15:00 イギリス 3月失業率
- 18:00 ユーロ 4月ZEW景況感調査
- 21:30 アメリカ 3月小売売上高(前月比)
4月22日(水)
- 8:50 日本 3月貿易統計
- 15:00 イギリス 3月消費者物価指数
- 23:00 ユーロ 4月消費者信頼感(速報値)
- 26:30 ユーロ ラガルドECB総裁 発言
4月23日(木)
- 8:50 日本 対外対内証券売買契約等の状況
- 17:00 ユーロ 4月製造業/サービス業PMI(速報値)
- 17:30 イギリス 4月製造業/サービス業PMI(速報値)
- 21:30 アメリカ 新規失業保険申請件数
- 22:45 アメリカ 4月製造業/サービス業PMI(速報値)
4月24日(金)
- 8:30 日本 3月全国消費者物価指数
- 8:50 日本 3月企業向けサービス価格指数(前年同月比)
- 15:00 イギリス 3月小売売上高
- 17:00 ドイツ 4月IFO企業景況感指数
- 23:00 アメリカ 4月ミシガン大学消費者態度指数・確報値
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小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。
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