
このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
X(Twitter): https://twitter.com/KandaTakuya
メキシコ政府、USMCAの早期見直しを歓迎か ペソは堅調
メキシコのエブラルド経済相は、2026年に予定されている米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の見直し時期について、今年後半に前倒しされるとの見方を示した。USMCAは2020年に発効した3国間の貿易協定で、自動車分野の域内原産割合が引き上げられるなど、関税をゼロにするための条件が従来よりも厳しくなった。トランプ米大統領は、USMCAの見直し協議を前倒しするよう働きかけており、米国がカナダとメキシコより優位な貿易条件を引き出すことを目指しているとされる。その見直しについてエブラルド氏は「メキシコにとって都合が良い可能性がある」と発言。その理由として「世界の他の地域と比較して(新USMCAが)どのように機能するかが明確になるためだ」と指摘した。なお、米政権は年4月2日に導入したすべての輸入品に対する一律10%の関税措置からメキシコとカナダを除外。当初の懸念ほど、メキシコに対するトランプ米大統領の風当たりが強くないことから、足元のメキシコペソは主要通貨に対して堅調だ。加えて、米国と中国は12日にお互いの関税を大幅に引き下げることで合意した。貿易戦争回避への期待が広がる中、リスクオンの円売りも相まってペソ/円はこの日、2月4日以来約3カ月ぶりに7.594円前後まで上昇する場面があった。
メキシコペソ/円 週足チャート

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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年から外国為替市場に携わる為替アナリスト。証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社し、ドル/円スポット、資金(デポジット)、金利デリバティブなど国際金融商品の取引仲介業務を担当。2009年7月、外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・金融市場の調査・分析に従事。2011年12月より現職。
30年以上にわたる市場経験をもとに、個人FX投資家向けの相場解説・情報発信を行う。テレビ東京「Newsモーニングサテライト(モーサテ)」への出演をはじめ、NHK、日経CNBC、ストックボイスTV、ニッポン放送など、テレビ・ラジオ・新聞・WEBメディアへの出演・取材・コメント実績多数。

