
このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
X(Twitter): https://twitter.com/KandaTakuya
ペソは対ドルで堅調 リセッションと利下げ継続の観測には注意
メキシコペソは4月に入り対ドルで堅調に推移している。トランプ米大統領が相互関税を発動した9日には1ドル=21.08ペソ台に下落する場面もあったが、トランプ氏がその日のうちに相互関税の一部猶予を発表したためすぐに値を戻した。その後は、メキシコについてはトランプ関税の主な標的ではないとの見方が浮上する中で強含んでおり、21日にはトランプ氏が米連邦準備制度理事会(FRB)に利下げを要求したことでドルが下落したため19.58ペソ台まで上昇。昨年10月以来、およそ半年ぶりの高値を付けた。一方、ペソ/円はドル/円につれる形で軟調だが、ドルに対するペソ高が一定の支えとなっており、7.0円割れの水準では底堅さが目立つ。
ただ、メキシコ景気の先行きを悲観視する声が大きい点には注意が必要だろう。経済協力開発機構(OECD)は3月、関税障壁がさらに高まるというシナリオの下で2025年通年のメキシコ経済の成長率を-1.3%と予測した。これは、ある意味で「最悪のシナリオ」とも言えるが、そうでなくとも4月30日に発表される1-3月期国内総生産(GDP)がマイナス成長となれば、定義上の景気後退(リセッション)に陥ることになる。なお、メキシコ中銀の利下げを巡る市場の見通しは、現在9.00%の政策金利が年末時点では7.75%に引き下げられるとの予測が中心シナリオとなっている。
メキシコペソ/円 週足チャート

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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年から外国為替市場に携わる為替アナリスト。証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社し、ドル/円スポット、資金(デポジット)、金利デリバティブなど国際金融商品の取引仲介業務を担当。2009年7月、外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・金融市場の調査・分析に従事。2011年12月より現職。
30年以上にわたる市場経験をもとに、個人FX投資家向けの相場解説・情報発信を行う。テレビ東京「Newsモーニングサテライト(モーサテ)」への出演をはじめ、NHK、日経CNBC、ストックボイスTV、ニッポン放送など、テレビ・ラジオ・新聞・WEBメディアへの出演・取材・コメント実績多数。

