メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 ：2023年12月20日16時00分
執筆・監修：株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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トルコリラ/円チャート（日足）
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
「足元のトルコリラ/円は史上最安値圏からやや持ち直す展開」
13日の米連邦公開市場委員会（FOMC）で米国の早期利下げ観測が高まったことから、翌14日にはドル安・リラ高に振れましたが、それ以上にドル安・円高が進んだためリラ/円は下落。一時4.834円前後まで下値を切り下げて史上最安値に迫りました。その後はドル/円の戻りに合わせて19日に4.964円前後まで持ち直しましたが、今度はドル/リラが史上最高値（リラの最安値）を更新したため、リラ/円は伸び悩みました。20日の東京市場でも4.9円台での推移が続いています。なお18日には、エルカン・トルコ中銀総裁とシムシェキ・トルコ財務相が中心となって来年1月11日に米国・ニューヨークで国外投資家向けの説明会を行うことが発表されました。外国の投資家をトルコ市場に呼び戻すための説明会とのことですが、リラは特に反応を示しませんでした。
「目先のトルコリラ/円の注目ポイントはトルコ中銀政策金利」
21日にトルコ中銀が政策金利を発表します。7会合連続の利上げが濃厚ですが、利上げ幅は前回の500bp（5.00％ポイント）から250bpに縮小する見通しで、政策金利は42.50％に引き上げられると予想されています。中銀は前回11月の会合で「引き締めペースを減速させ、引き締めサイクルを短期間のうちに完了する」と表明しました。今回の利上げで打ち止めになるのか、あるいはもう少し引き上げるつもりがあるのか、中銀の利上げに対するスタンスが最大の見どころになりそうです。トルコのインフレ率は最新の11月で69.9％ですが、中銀はインフレが来年5月に70-75％でピークを付けたあと、年末には36％に低下すると予測しています。インフレがピークに達する前に金融引き締めの姿勢を弱めれば、リラにさらなる下落圧力がかかるおそれもあるため注目です。
当面のトルコリラ/円の見通し
予想レンジ
4.800円～5.000円
基調
下値不安
当面の注目ポイント
☆12/21 トルコ中銀政策金利
・主要国株価、国際商品価格
トルコリラ/円（TRY/JPY） 為替チャート・FXチャート│はじめてのFXなら外為どっとコム
経済指標・イベントの結果について
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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員神田 卓也（かんだ・たくや）
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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