ドル/円、米9月小売売上高に注目集まる…150円を突破する力はあるのか
東京市場のドル/円は、高値圏でもみ合う展開。日本株安を背景とした円買いから小緩む場面もありましたが、米長期金利の上昇を受けたドル買いも入り149.80円を挟んで小幅なレンジ推移が続いています。
10月31日-11月1日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控える中、21日から金融政策に関して踏み込んだ発言が禁じられる「ブラックアウト」期間に入ります。9月FOMCで示唆された年内あと1回の追加利上げに対してパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がどのような見解を示すのか注目が集まります。発言の内容を受けた米長期金利動向がドル/円相場にも影響をもたらしそうです。なお、150.00円を突破する動きを見せると政府・日銀による円買い介入への警戒感が高まることになり、神経質な値動きとなることも考えられます。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、10、20、80日移動平均線が上向きを維持しており上昇基調が継続していますが、RSIはやや下向きとなっていることから上昇基調の中で上値の重い状況だとわかります。現状、高値圏でのもみ合いが続いておりアセンディングトライアングルを形成しています。上値抵抗と意識されている150.00円を明確に突破すると一段高となる可能性があります。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
10/19(木)
21:30☆米新規失業保険申請件数
21:30 米10月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
22:00 ジェファーソンFRB副議長講演
23:00 米9月中古住宅販売件数
23:00 米9月景気先行指数
25:00☆パウエルFRB議長講演
26:20 グールズビー米シカゴ連銀総裁講演
26:20 バーFRB副議長会見
27:00 ボスティック米アトランタ連銀総裁講演
27:00 米9月財政収支
10/20(金)
06:30 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演
06:45 NZ9月貿易収支
07:40 ローガン米ダラス連銀総裁講演
08:30☆日本8月消費者物価指数
10:15 中国ローンプライムレート(LPR)
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
今日の注目トピック
神田財務官は、日本経済新聞社が配信するデジタル金融専門メディア「NIKKEI Financial」のオンラインセミナーで「非常に不合理な動きとか、過度の動きがあった時は、是正しなければならない。それが投機的な行動であれば犯罪的だぐらいに思う時もある。しっかりと対応する」と発言。為替はファンダメンタルに沿って安定推移が好ましいが、過度の変動があれば経済に悪影響があるため、「適切な行動を取るというのは国際的に認められている」としました。また、為替介入について「言わないのが普通だ。(直後に公表することで)我々も得なことはひとつもない」と述べました。
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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