主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年8月22日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼19日(金)の為替相場
(1):日本CPI 前月から小幅加速
(2):英小売売上高 予想に反し増加
(3):独PPI 過去最高の伸び
(4):欧州ガス供給 混乱生じる恐れ
(5):米リッチモンド連銀総裁発言
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米10年債利回りの動向が焦点/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
19日(金)の為替相場
期間:19日(金)午前6時10分~20日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本CPI 前月から小幅加速
日本7月消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除いたコア指数が前年比+2.4%と予想通りに前月(+2.2%)から小幅に加速。4カ月連続で日銀の物価目標である+2.0%を上回った。なお、生鮮食品とエネルギーを除いた7月のコアコアCPIは前年比+1.2%だった(予想+1.1%、前回+1.0%)。
(2):英小売売上高 予想に反し増加
英7月小売売上高は前月比+0.3%と予想(-0.2%)に反して増加した。自動車燃料を除いた売上高は前月比+0.4%だった(予想-0.3%)。ただ、ポンドの反応は薄かった。
(3):独PPI 過去最高の伸び
独7月生産者物価指数(PPI)は前年比+37.2%と市場予想(+31.8%)を上回り過去最高の伸びを記録。
(4):欧州ガス供給 混乱生じる恐れ
ロシア国営の天然ガス会社ガスプロムは欧州に天然ガスを送る主要パイプライン「ノルドストリーム1」について、8月31日から9月2日までの3日間、点検のためガス供給を停止すると発表した。英7月小売売上高や独7月PPIを受けて強含んでいたポンドやユーロはこれを受けて反落した。
(5):米リッチモンド連銀総裁発言
バーキン米リッチモンド連銀総裁はインフレはすぐ正常に戻らないとした上で「景気後退(リセッション)を引き起こしたとしても、米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレを抑制しなければならない」などと発言。その後、独7月PPIを受けた独長期金利上昇の影響と相まって米10年債利回りが節目の3.0%目前まで上昇する中、ドル/円は7月27日以来の高値となる137.22円前後まで上値を伸ばした。
19日(金)の株・債券・商品市場
外為注文情報
【情報提供:外為どっとコム】
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本日の見通し
ドル/円の見通し:米10年債利回りの動向が焦点
19日のドル/円は4日続伸。米長期金利の上昇を背景にNY市場で137.22円前後まで上伸した。米10年債利回りは、米連邦準備制度理事会(FRB)高官のタカ派発言などを受けて約1カ月ぶりに2.99%台へと上昇する場面もあった。
ドル/円は、19日の上伸で日足一目均衡表の雲上限を上抜けており、一段高の機運が高まっている。5連騰がかかる本日は、米10年債利回りが節目の3.00%を超えられるかが焦点となりそうだ。
また、ユーロやポンドなど欧州通貨の動きにも注目したい。欧州通貨を巡っては、インフレ高進が景気後退(リセッション)を招くとの懸念が下落圧力となっており、相対的なドルの上昇に繋がっている。ユーロ/ドルが1ユーロ=1ドルのパリティを割り込んで下げ足を速めるようなら、対円でもドルを押し上げる可能性がある。
注目の経済指標
特になし
注目のイベント
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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