主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年6月1日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼31日(火)の為替相場
(1):中国PMI 景況改善・悪化の分岐点下回る
(2):ユーロ圏消費者物価 過去最高の伸び率
(3):米経済指標 まちまちな結果
(4):米消費者信頼感 予想ほど低下せず
(5):異例の会合 米インフレ情勢について協議
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:2週間ぶりの129円台回復となるか/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
31日(火)の為替相場
期間:5月31日(火)午前6時10分~6月1日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国PMI 景況改善・悪化の分岐点下回る
中国5月製造業PMIは49.6と予想(49.0)を上回ったものの、景況改善・悪化の分岐点となる50.0は3カ月連続で下回った。非製造業PMIも47.8と予想(45.5)を上回ったが50.0には届かなかった。また、豪4月住宅建設許可件数は前月比-2.4%で、予想(+2.0%)に反して減少した。
(2):ユーロ圏消費者物価 過去最高の伸び率
ユーロ圏5月消費者物価指数(CPI)は前年比+8.1%と予想(+7.8%)を上回り、過去最高の伸び率を記録した。変動の大きい食品やエネルギーを除いたコアCPIは前年比+3.8%(予想:+3.6%、前回+3.5%)だった。
(3):米経済指標 まちまちな結果
米3月FHFA住宅価格指数は予想(+2.0%)を下回り前月比+1.5%となった。一方、米3月ケース・シラー住宅価格指数は予想(+20.00%)を上回る前年比+21.17%となった。
(4):米消費者信頼感 予想ほど低下せず
米5月消費者信頼感指数は、高インフレが家計を圧迫をしたと見られる中、106.4と2月以来の低水準となったが予想(103.6)ほどには低下しなかった。これより前に発表された米5月シカゴPMIは60.3と予想(55.0)を上回った。ドル/円は米長期金利の上昇に連れて128.89円前後まで上昇した。
(5):異例の会合 米インフレ情勢について協議
バイデン米大統領はホワイトハウスにパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、イエレン財務長官を招き、異例の会合を行った。約40年ぶりの高水準に達しているインフレ情勢を巡り協議し、バイデン大統領は「回復から安定した成長への移行が必要」と発言。米経済は「転換期」を迎えるという認識を示した。また、FRBの独立性を尊重すると強調。その上で数十年ぶりの高インフレについては、その抑制の主要な責任はFRBにあるとした。
31日(火)の株・債券・商品市場
外為注文情報
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本日の見通し
ドル/円の見通し:2週間ぶりの129円台回復となるか
昨日のドル/円は128円台後半へと続伸。米長期金利の大幅上昇を背景にドル買いが強まるとNY市場で128.89円前後まで上値を伸ばした。ドイツの5月インフレ率が過去最高を更新したのをきっかけに、米国のインフレピークアウト観測が後退している模様だ。そうした中、米連邦準備制度理事会(FRB)は本日からバランスシートの縮小に向けて月額475億ドルのペースで量的引き締め(QT)を開始する。
目先の米長期金利は一段の上昇余地があると見られ、それにともないドル/円の上値余地も広がったと考えられる。
本日のドル/円は2週間ぶりに129円台の回復が見込めるとともに、130円台の回復を視野に入れた動きとなる可能性もありそうだ。
注目の経済指標
注目のイベント
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※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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