主要通貨ペア（ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円）について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 ：2022年4月4日9時00分
執筆・監修：株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼1日（金）の為替相場
（１）：本邦業況判断指数 7四半期ぶりの悪化
（２）：ユーロ圏CPI 過去最高の伸び
（３）：米3月雇用統計発表
（４）：米債市場「逆イールド」鮮明化
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し：米長期金利と株価の動向を注視/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
1日（金）の為替相場
期間：1日（金）午前6時10分～2日（土）午前5時55分 ※チャートは30分足（日本時間表示） 出所：外為どっとコム
（１）：本邦業況判断指数 7四半期ぶりの悪化
日銀短観で、大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数（DI）は+14に低下（予想+12、前回+17）。大企業・非製造業DIは+9だった（予想+5、前回+10）。ロシアによるウクライナ侵攻の影響などから、ともに7四半期ぶりの悪化となったが、市場予想ほどには低下しなかった。なお、市場の注目度が高い全規模全産業の2022年度の想定為替レートは1ドル=111円93銭と、実勢よりも大幅にドル安・円高水準だった。
（２）：ユーロ圏CPI 過去最高の伸び
ユーロ圏3月消費者物価指数（HICP）・速報値は前年比+7.5％と、予想（+6.7％）を大きく上回り、過去最高の伸びとなった。
（３）：米3月雇用統計発表
米3月雇用統計は、非農業部門雇用者数が43.1万人増と予想（49.0万人増）に届かなかった一方、失業率は3.6％と予想（3.7％）以上に低下した。平均時給は前月比+0.4%、前年比+5.6％と概ね予想通りに伸びが加速した（予想+0.4％、+5.5％）。これを受けて米長期金利が上昇するとともにドル/円が強含んだ。クロス円はドル高の影響でストレートドルが軟化したため、ドル/円ほどには上昇しなかった。
（４）：米債市場「逆イールド」鮮明化
米3月ISM製造業景況指数は57.1と予想（59.0）に反して前月の58.6から低下した。内訳の構成指数では新規受注が61.7から53.8へと急落。一方、雇用は52.9から56.3へと上昇した。これを受けてドルは上げ幅を縮小した。なお、米債市場では一時2.45％前後まで上昇していた10年債利回りが3月ISM製造業景況指数を受けて2.3％台に上昇幅を縮小。2年債利回りは米3月雇用統計を受けて米連邦準備制度理事会（FRB）の利上げペース加速が意識される中、2.45％前後で高止まりした。短い期間の金利が長い期間の金利を上回る状態で景気後退のシグナルとされる「逆イールド」が鮮明化した。
1日（金）の株・債券・商品市場
外為注文情報
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本日の見通し
ドル/円の見通し：米長期金利と株価の動向を注視
1日のドル/円は終値ベースで約0.7％上昇。米3月雇用統計の堅調な結果を受けて123.03円前後まで上昇する場面もあった。市場は、次回5月の米連邦公開市場委員会（FOMC）で政策金利であるFFレートが0.75-1.00％へ50bp（0.50％ポイント）引き上げられるとの見方を強めている。日銀が対照的にハト派スタンスを維持する中、流れはドル高・円安に傾きやすいと考えられる。
ただ、1日のNY債券市場で景気後退のシグナルとされる「逆イールド」が鮮明化した点には注意が必要だろう。2年債利回りは2.5％目前まで上昇して10年債利回りを上回った。長短金利が逆転する「逆イールド」は株価の下落要因になりかねない。本日は米長期金利と株価の動向に注目したい。
注目の経済指標
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