オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
目次
- ▼今日の豪ドル トレードシナリオ
- 昨日から現在までの相場
- 今日のメインシナリオは
- この先の個別相場変動
- 豪ドル/円 最新チャート分析
- 今後の注目経済指標・イベント
- 「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
今日の豪ドル トレードシナリオ
昨日から現在までの相場
・NY原油先物市場は小幅反発。中国GDPの好結果が支えとなったものの、米金利先高観が上値を抑えた。終値は前日比+0.03ドルの1バレル=80.86ドル(4月18日)。
・豪3月雇用統計が発表され、雇用者数は市場予想(2万人増)を上回る5.30万人の増加だった。失業率は3.5%、労働参加率は66.7%となった(4月13日)。
・4月4日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利を3.60%で据え置きとした。声明は前月から比べるとハト派的な印象となった。
・3月29日に発表された、豪2月月次消費者物価指数(CPI)は前年比+6.8%となり、前月(+7.4%)からインフレは鈍化した。
今日のメインシナリオは
RBAは予想以上にタカ派的だった!豪ドルの反発は続く?
昨日公表された4月のRBA理事会議事要旨では、「まず、0.25%利上げを議論した」「将来の会合で利上げが必要になる可能性を強調することが重要」などが示された。また、政策金利に関しては一時停止を示す「PAUSE」という単語が数多く使用されていた。これらを受けて、市場は「想定していたほどRBAはハト派に傾いていない」と受け止めたようだ。この影響から市場は豪ドルの買い戻し優勢となった。ただし、5月の利上げに関しては来週26日に発表される豪1-3月四半期CPIの結果を見てからの判断となるため、豪ドルの調整は昨日までと見ている。
本日は豪州や米国にて主要経済指標の発表はない。5月2-3日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、今週末から米連邦準備制度理事会(FRB)高官は金融政策に関する発言を禁じられる「ブラックアウト期間」に入る。ブラックアウトを前にFRB高官による発言で米国の金融政策に対する市場の思惑が修正される可能性がある。仮に、市場が織り込んでいる以上にタカ派的な発言が続けば、米金利先高観による米ドル買いが持ち込まれて、相対的に豪ドルは売られることになりそうだ。
また、本日は英国と欧州圏の3月CPIが発表されるので、これらも注意しておきたい。英欧のインフレが予想していたほど鈍化していなければ、英欧景気鈍化懸念が台頭して資源国通貨である豪ドルにとっては売り材料となるだろう。
この先の個別相場変動
■英国、欧州圏のCPIが予想ほど鈍化していなかった
⇒BOE、ECBは想定以上に利上げを続けるとの思惑が台頭する
⇒高金利、高インフレで英欧経済が鈍化する懸念が高まる
⇒豪ドルは売られる
豪ドル円 最新チャート分析
今後の注目経済指標・イベント
FRB高官の発言
英欧3月CPI
米主要企業決算と米国株価動向
「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに雨。6時に豪ドル/米ドルの移動平均で売りシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>
- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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