主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年2月13日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼10日(金)の為替相場
(1):RBA 金融政策報告発表
(2):英10-12月期GDP 2四半期連続のマイナスを回避
(3):次期日銀総裁人事報道でドル/円急落
(4):植田氏の発言を受けてドル/円は反発
(5):米ミシガン大消費者信頼感指数 予想を上回る
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米CPI待ちで動意薄か/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
10日(金)の為替相場
期間:10日(金)午前7時10分~11日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):RBA 金融政策報告発表
豪中銀(RBA)は四半期に一度の金融政策報告を発表。2023年末のインフレ見通し(トリム平均値)を+3.75%から+4.25%に引き上げた上で、「インフレ抑制のために一段の利上げが必要である」との認識を示した。
(2):英10-12月期GDP 2四半期連続のマイナスを回避
英10-12月期国内総生産(GDP)・速報値は前期比±0.0%と予想と一致。2四半期連続のマイナスはなんとか回避した。同時に発表された英12月鉱工業生産は前月比+0.3%と予想(-0.2%)に反して増加。英12月貿易収支は192.71億ポンドの赤字となり、赤字額は予想(173.00億ポンド)より多かった。
(3):次期日銀総裁人事報道でドル/円急落
一部報道で「政府は黒田日銀総裁の後任に元日銀審議委員の植田氏を起用する人事を固めた」と伝わった。また、有力視されていた雨宮副総裁は就任を固辞したと報じられた。市場が次期総裁の本命でハト派と見ていた雨宮氏ではなかったことから円買いが活発化。その後ドル/円は一時130円台を割り込んで急落した。
(4):植田氏の発言を受けてドル/円は反発
植田氏は一連の報道について「現時点では人事については何も申し上げられない」と発言。その上で「金融政策は景気と物価の現状と特に見通し、先行きに基づいて運営しないといけない。その観点から、現在の日本銀行の政策は適切であると考えている。いずれにせよ、現状では金融緩和の継続が必要であると考えている」と述べた。これをきっかけに一転して円売りに傾くとドル/円は131円台を回復。ドル/円につれ安していたクロス円も植田氏の発言を受けて反発した。
(5):米ミシガン大消費者信頼感指数 予想を上回る
米2月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値は66.4と予想(65.0)を上回った。消費者の期待インフレ率は1年先が4.2%と前月の3.9%から上昇。5-10年の期待インフレ率は2.9%で前月から横ばいだった。
10日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:米CPI待ちで動意薄か
10日のドル/円は乱高下した。岸田政権は日銀新総裁に植田元審議委員を起用するとの報道が伝わると129.81円前後まで2円近く急落。ハト派と見られる雨宮副総裁を本命視していた市場は円買いで反応した。ところが、植田氏が「現状では緩和継続が必要だ」と発言すると131円台へ急速に値を戻した。海外市場でも底堅く推移し、終値は前日比0.1%安の131.38円前後だった。
日銀総裁人事がほぼ固まったことで、市場の関心は明日14日に発表される米1月消費者物価指数(CPI)に向かうことになろう。10日の米債市場では、ミシガン大調査の期待インフレ率が上振れたことなどから長期金利が上昇。市場は米連邦準備制度理事会(FRB)が3月と5月にそれぞれ25bp(0.25%ポイント)の利上げを行うとの見方を完全に織り込んだ。本日については、米1月CPI待ちで米長期金利やドルの動きは限られそうだ。
注目の経済指標:日本10-12月期GDP・速報値(14日)
注目のイベント:米ボウマンFRB理事講演
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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