主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年9月30日9時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼29日(木)の為替相場
(1):豪7月CPIは1990年代半ば以降の高い伸び
(2):英トラス首相の発言
(3):鈴木財務相が円買い介入について発言
(4):独CPIは約70年ぶりの高い伸び
(5):複数の米経済指標発表
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:週末・月末・四半期末で市場の動意は限られる公算/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
29日(木)の為替相場
期間:29日(木)午前6時10分~30日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪7月CPIは1990年代半ば以降の高い伸び
豪統計局は新たに公表を始めた月次消費者物価指数(CPI)を前倒しで発表。7月CPIは前年比+7.0%と1990年代半ば以来の高い伸びとなった。8月CPIは前年比+6.8%だった。
(2):英トラス首相の発言
英国のトラス首相は、大規模減税を含む自身の経済政策について「英国にとって正しいと思うことをしている」「私の経済政策は、正しい計画」「減税は英国経済の成長に寄与する」などと擁護。ポンドは首相の発言を受けて下落する場面もあったが、その後は英中銀(BOE)が残存20年超の国債を14.15億ポンド購入したことなどから反発。損失確定のショートカバーも巻き込んだと見られ大幅に上昇した。
(3):鈴木財務相が円買い介入について発言
鈴木財務相はアジア開発銀行(ADB)年次総会後の会見で22日に行った円買い介入について、投機筋の動きによって本来あるべき姿か変更されており、是正をすることが重要だったと説明。今後も急激な変動がある場合は「断固としてならしていくという営みが必要だ」と述べた。
(4):独CPIは約70年ぶりの高い伸び
独9月消費者物価指数(CPI)・速報値は前年比+10.0%と予想(+9.5%)を上回り、前月の+7.9%から加速。伸び率は約70年ぶりの高さとなった。ロシアのウクライナ侵攻を受け、エネルギーや食品の価格が高騰したことが大きく影響した。欧州連合(EU)基準の9月CPIも前年比+10.9%と予想(+10.2%)を上回った。
(5):複数の米経済指標発表
新規失業保険申請件数は19.3万件と予想(21.5万件)を下回り5カ月ぶりの低水準となった。同時に発表された米4-6月期国内総生産(GDP)・確定値は前期比年率-0.6%で、予想通りに改定値からの修正はなかった。
29日(木)の株・債券・商品市場
外為注文情報
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本日の見通し
ドル/円の見通し:週末・月末・四半期末で市場の動意は限られる公算
昨日のドル/円は終値ベースで約0.2%上昇。前日に大きく低下した米債利回りが持ち直す中、一時144.79円前後まで強含んだ。ただ、ポンド高・ドル安の影響や本邦当局による円買い介入への警戒感から上値が重く144円台後半で伸び悩んだ。
本日も145円台に接近すれば戻り売りが優勢となりそうだ。週末・月末・四半期末で市場の動意は限られる公算が大きい。国際投資家によるリバランス(投資資金の再分配)などの影響で値動きが荒くなる可能性はあるが、143円台の下値も堅そうだ。なお、NY市場では米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注目する8月の個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)が発表される。その他、本邦財務省が発表する「外国為替平衡操作の実施状況」では22日の円買い介入の規模が明らかになる。
注目の経済指標
注目のイベント
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※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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