FX/為替予想「南アランド/円は底堅いが…。CPIが上振れると、南アは経済減速へ」FXつみたて通信 南アフリカ ランド/円編 2022年8月23日

FXつみたて通信 南アフリカ ランド/円

買いどき?指数は南アフリカ ランド/円の上昇・下落のパワーを視覚化したものです。ミニマム(MIN)はポジション保有は慎重に、マックス(MAX)はポジション保有の好機、を表しています。現況のマーケットを俯瞰しての分析であり、投資の判断はご自身でおこなっていただけます様、お願いいたします。

高金利通貨である南アフリカ ランドについて、中長期にわたり買いポジションを保有する視点で、現在を分析します。

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka

目次

南アフリカ ランド/円 上昇・下落のパワーバランス

南アフリカ ランド/円をトレードするうえで重要となる経済指標やイベントを個別に点検します。

南アフリカ中銀は、今回の利上げサイクル最大の利上げ幅となる0.75%利上げを実施

7月21日のSARB金融政策会合で市場予想(0.50%)を上回る0.75%の利上げを実施し政策金利を5.50%とした。0.75%の利上げは2021年11月に利上げを開始して以来、最大の利上げ幅。次回の会合は9月22日。それまでに2回の消費者物価指数(CPI)の発表がある。

南アフリカの貿易収支は中国のロックダウンで減少も黒字維持

6月の南アフリカ・貿易収支は242億ランドと5月の309億ランド(283億ランドから上方修正)から縮小。7月分は8月31日発表予定。

南アフリカの消費者物価指数は中銀目標を上抜け急伸

6月の南アフリカ・消費者物価指数は前年比+7.4%。5月に南アフリカ中銀の目標値(3%~6%)を上抜けて、一気に加速した。これ以上インフレが上伸すると国内経済には悪影響。7月分は8月24日発表。市場予想は+7.8%となっている。

南アフリカの小売売上高は2カ月連続で減少。前月は下方修正された

2022年6月分では前月比-0.4%と予想(-0.2%)から下振れ。-1.0%だった5月分は-1.2%に下方修正された。

南アフリカのGDPは2期連続プラス成長中。だが、来期はマイナス?

6月7日に発表された南アフリカ2022年第1四半期国内総生産(GDP)は前期比+1.9%と2期連続のプラスとなった。ただし、第2四半期はウクライナ情勢の悪化によるインフレ加速や洪水被害によりマイナスに落ち込むことが予想されている。

南アフリカには懸念点が多い。唯一のポジティブ材料は成長見通しの上方修正

①8月22日に国営電力会社のエスコムは「機械故障を原因に、今週は16時~24時の間停電が発生する可能性がある」と発表。
②失業率は2022年1-3月期四半期で34.5%と前期(35.3%)からは改善したが、依然として高水準。南アフリカ経済の足枷。4-6月期四半期分は8月23日発表。
③南アフリカと交易関係の強い中国に経済減速の懸念が浮上している。
④国際通貨基金(IMF)は7月22日に公表した世界経済見通しで2022年の南アフリカの成長見通しを2.3%(前回は1.9%)に上方修正した

パワーバランス まとめ

5月に中銀目標(3~6%)を上抜けたインフレ率は、6月に大幅に加速した。これに対応するために、SARBは7月21日の会合で5会合連続の利上げを実施した。0.75%利上げは昨年11月に利上げを開始して以来最大の上げ幅となった。電力不足や高失業率は引き続き悩みの種となるほか、交易関係の強い中国の景気減速懸念が台頭していることがネガティブ材料。

南アフリカ ランド/円、いまが買いどき?

南アフリカランドの買いどき指数は60%

SARBは7月21日に大幅利上げを行った。インフレ率は中銀目標レンジを上回っており、次回会合が2カ月後(9月22日)のため、先手を打った形となった。電力不足を補うために新たな措置を発表したが、効果が出るまでには時間がかかるだろう。欧州や中国の景気減速懸念はランドにとってはマイナス要因。高インフレ、高金利の影響から南ア国内の景気減速が強まっていることもマイナス要因。8月24日に発表される南ア7月CPIが市場予想を超えるインフレ上昇率となった場合には、景気減速懸念がさらに強まりそうだ。高金利と金融政策面から見るとマイナス金利を堅持する日銀との差は明らか。南ア・ランドは対円では底堅いものの、上値を伸ばすほどの材料はなさそうだ。

買いどき?指数は南アフリカ ランド/円の上昇・下落のパワーを視覚化したものです。ミニマム(MIN)はポジション保有は慎重に、マックス(MAX)はポジション保有の好機、を表しています。現況のマーケットを俯瞰しての分析であり、投資の判断はご自身でおこなっていただけます様、お願いいたします。

 

経済指標予定

8月23日 18:30 4-6月期四半期失業率
8月24日 17:00 7月消費者物価指数(CPI)
8月25日 18:30 7月卸売物価指数(PPI)

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新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー社へ入社。8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、Twitterを通してFX初心者向けの情報発信を担当している。
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