総括
FX「原油下落は好材料。南アの石炭需要は増加。IMF成長見通しは数少ない上方修正国」南アランド見通し
「通貨4位、株価6位」
「予想レンジ 南アランド7.8-8.3」
(ポイント)
*日足は3連続陽線、週足は3週間ぶりに陽線
*石炭が見直され輸出商品へ
*7月の民間部門PMIは52.7と、3カ月連続で上昇
*7月の製造業PMIは47.6と、前月の52.2から低下
*今週は停電なし
*今週は6月企業信頼感指数、金生産、鉱山業生産などの発表あり
*IMFは成長見通し引き上げた
*燃料価格下落の兆し
*米ブリンケン国務長官が南アを訪問する
*政策金利は0.75%の引き上げとなった
*6月消費者物価は前年比7.4%上昇と、2009年5月以来13年ぶりの高水準
*悪材料多いが貿易黒字でランドを支える
*悪材料とは景気指標悪化、電力不足問題、大統領脱税疑惑
*ロシア産原油の輸入を計画している
*失業率は35%と高い ジンバブエの難民が職業を奪う
*アフリカ開銀はアフリカ大陸でのスタグフレーションを示唆
(こじっかり、南アの石炭見直し)
南アランドは対円で日足は3連続陽線、週足は3週間ぶりに陽線となった。ランドは主に対ユーロ、ポンド、ドルで取引されているので対円の8円は大きな意味はないが、なかなか8円を割れずにいるしぶとさがある。貿易黒字が長期間維持されていることもランドの支えだが、このところ、南アが輸入する原油価格が下落し、輸出するパラジウムや白金の価格が落ち着いていることも良き材料だ。さらにウクライナ危機による欧州エネルギー危機で石炭が見直されていることもランドを支えている。南アは、世界トップ 10 の石炭生産国の 1 つとして、ヨーロッパにおける主要な輸入石炭源の 1 つになっている。
(経済指標はマチマチ)
経済指標はマチマチであった。7月の民間部門PMIは52.7と、3カ月連続で上昇した。新規受注、生産、雇用の増加ペースが2021年半ば以降で最高となった。
PMIは14カ月ぶりの高水準。前月の52.5から小幅に上昇した。一方、アブサ7月の製造業PMIは47.6と、前月の52.2から低下し、2021年7月以来初めて好不況の分かれ目となる50を下回った。大規模な計画停電で生産が減少した。停電と世界経済への懸念で事業見通しが大幅に悪化したという。7月は事業活動と新規受注が一段と縮小。雇用指数は50を下回った。購買価格指数の上昇率は今年初め以降で最低だった。
(エスコム社が送電再開、計画停電取り止め)
ただエスコム社によれば、今週は停電を行う必要がなくなり正常に稼働するようだ。
(今週の指標)
6月企業信頼感指数、金生産、鉱山業生産などの発表がある。
テクニカル分析(ランド/円)
一時、8円、ボリバン3σ下限を下抜くも先週後半、反発、8円維持
日足、一時、8円、ボリバン3σ下限を下抜くも先週後半、反発、8円維持。3日連続陽線。ボリバン中位まで戻す。8月3日-5日の上昇ラインがサポート。7月29日-8月5日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向く、20日線下向き。
週足、3月7日週-8月1日週の上昇ラインがサポート。7月25日週-8月1日週の下降ラインが上値抵抗。5週線下向き、上向きの20週線を下抜く。
月足、6月の長い上ヒゲで7月は陰線。5月-7月の上昇ラインを下抜くも反発中。6月-7月の下降ラインが上値抵抗。
年足、21年はかろうじて陽線。22年もここまで陽線。18年-21年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。
喜望峰
自動車部門でのストライキの可能性
南アの自動車部門でのストライキの可能性はますます高まっている。使用者と労働組合との間の 2 日間にわたる論争解決会議が、賃上げをめぐる行き詰まりを打開することができなかったからである。組合側は( Numsa )は、この部門の労働者 (300,000 人の労働者のうち 57,000 人を代表する) を動員し、要求が満たされない場合はストライキを行うと脅している。組合は、賃金の 9.5%から 12% の引き上げを要求、雇用主は 3% から 4% の間でオファーしている。
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