主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年8月16日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼15日(月)の為替相場
(1):本邦GDPは3四半期連続のプラス成長
(2):中国で複数の経済指標が発表される
(3):予想外の米指標悪化を受けてドル/円下落
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:雲の中で方向感出にくい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
15日(月)の為替相場
期間:15日(月)午前7時00分~16日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦GDPは3四半期連続のプラス成長
日本4-6月期国内総生産(GDP)・一次速報は前期比年率+2.2%と市場予想(+2.6%)には届かなかった。ただ、1-3月期GDPが二次速報の-0.5%から+0.1%に上方修正されたことで3四半期連続のプラス成長となった。円相場への影響は限定的だった。
(2):中国で複数の経済指標が発表される
中国7月小売売上高は前年比+2.7%となり予想(+4.9%)を下回った。同鉱工業生産も前年比+3.8%と予想(+4.3%)を下回った。これを受けて中国景気の先行き不透明感が広がると豪ドル/円が下落。豪ドルや中国人民元に対してドルが買われたため、ドル/円への影響は小さかった。なお、これより前に中国人民銀行は、中期貸出制度(MLF)の1年物金利を予想に反して2.85%から2.75%に引き下げた。
(3):予想外の米指標悪化を受けてドル/円下落
米8月NY連銀製造業景気指数は-31.3と予想(+5.0)を大幅に下回った。米国の景気後退(リセッション)懸念が高まったことで米10年債利回りは2.7%台へと低下。ドル/円は132.55円前後まで下落し、それにつれてクロス円も下落した。ドル/円は売り一巡後に買戻しが入ったが、中国のリセッション懸念やイラン核合意再建を巡る観測から原油価格が軟調に推移する中、豪ドル/円の戻りは鈍かった。ユーロ/円やポンド/円も記録的な熱波などの影響で景気不安が根強く、反発余力は小さかった。
15日(月)の株・債券・商品市場
外為注文情報
【情報提供:外為どっとコム】
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本日の見通し
ドル/円の見通し:雲の中で方向感出にくい
昨日のドル/円は終値ベースで約0.1%下落。米8月NY連銀製造業景気指数の大幅な悪化を受けて米長期金利が低下すると132.55円前後までドル安に振れたが、資源国通貨や欧州通貨に対してドルが強含む中、対円でもドルを買い戻す動きが強まり133円台を回復した。
ドル/円は本日も、日足一目均衡表の雲の中で方向感が出にくい展開が見込まれる。雲の下限でもある132.00円付近は底堅い一方、134.00円に近付けば上値が重くなりそうだ。そうした中で、本日も資源国通貨や欧州通貨の動きに注目したい。豪州では豪中銀(RBA)議事録が公表されるほか、欧州では英7月雇用統計と独8月ZEW景況感指数が発表される。これらを受けて豪ドルやポンドやユーロが動けば、ドルはその反対に動くと見られる。もっとも、そうした受動的な動きではドルに明確な方向感が出る公算は小さいだろう。
注目の経済指標
注目のイベント
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※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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