豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・WTI原油価格は、一時、2月3日以来の1バレル=86ドル台まで下落。中国の景気減速懸念が高まったことによる、需要の減退懸念。イランの核合意に向けた前向きコメントが、イラン産原油の供給拡大期待を強めたことが理由(8月15日)。
・8月2日の豪準備銀行(RBA)理事会で政策金利を市場予想(0.25%~0.50%)通り0.50%の利上げを実施。次回以降も大幅利上げの可能性は残したが、先月までのタカ派的な姿勢は後退した。
・7月27日発表の豪2022年4-6月期消費者物価指数(CPI)は前年比+4.9%(トリム平均)と、インフレ率は前期(+3.7%)から急伸する結果となった。
・6月分の豪雇用者数は8.84万人増と予想の3.0万人増を大幅に上回る。失業率が3.5%まで低下、労働参加率が66.8%(前月66.7%)へ上昇した(7月14日)。7月分は8月18日に発表予定。
・2022年1‐3月期の豪賃金指数(前年比)は+2.4%と前期(+2.3%)を上回る。しかしRBAの目標とする3%には届かず。6月15日に公正労働委員会が最低賃金の5.2%引き上げを発表。これにより賃金指数の伸びも加速しそうだ。4-6月分は8月17日発表予定。
今日のメインシナリオ
豪ドル/円は92円が下値目途?世界経済減速懸念の再燃により、上値が重い
①中国の経済指標(小売売上高、鉱工業生産)が軒並み予想を下回った。②米NY連銀製造業景気指数の大幅悪化。
③欧州を襲う熱波の影響から、欧州物流の大動脈であるライン川の水位が大幅に低下。大型船が航行出来ず、燃料などの輸送が滞り、欧州経済がさらに減速する懸念が出てきている。
これらの材料が為替市場でのリスク回避姿勢を強める要因となった。現時点では豪州の国内経済は力強い成長を続けている。しかし、昨日はリスクマインドに敏感な豪ドルは世界経済の減速懸念から大きく売られる結果となった。
本日発表される欧米の経済指標が予想を下回った場合には、リスクオフの動きが強まり豪ドルは対米ドル、対円で大きく売られることとなりそうだ。リスクマインドが好転されるような材料は今のところ見当たらない。
個別の想定シナリオ
■世界経済の減速懸念が高まっている
⇒欧米の経済指標が下振れた場合には強く反応
⇒豪ドルはリスクマインドに敏感
⇒豪ドル/円は下落
チャート分析
今後の注目材料
18:00 ドイツ 8月ZEW景況感調査
21:30 米国 7月住宅着工件数 / 7月住宅建設許可
22:15 米国 7月鉱工業生産
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は曇り、豪ドル/米ドルは曇り空に太陽が覗く。7時に豪ドル/円のRSIで売りシグナル点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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