「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
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最新のマーケット情報まとめ
現状分析
- ドル円相場は150円で上昇できるかがポイント
- 移動平均線は3本とも下向きだが、10日線の下向き角度が弱まりつつある
- 10日線・20日線を明確に上抜けし、反発しやすい形状に変化
テクニカル分析ポイント
- 150円突破後の次のターゲットは戻り高値の151.30円
- 151.30円を突破すると直近高値を切り上げることになり、下落トレンドが解消
- 150円目前で伸び悩んで反落する可能性もあるが、10日線を下抜けない限り反発の余地あり
- 10日線を下抜けると再び安値を意識する展開に
上昇の背景
- 株高の展開(米国株高、日経平均もプラス)
- トランプ大統領とプーチン大統領の電話会談予定
- ウクライナとロシアの停戦に関する期待の高まり
- リスク回避の動きが後退し、円売りが進行
今日の注目点
- ウクライナ・ロシア停戦に関する進展
- 30日間の停戦をプーチン大統領が受け入れるかどうか
- 資産分割(占領地域の扱い)に関する協議の行方
- 停戦合意に至れば150円台を目指す可能性、決裂なら下値を試す展開も
米国経済指標
- 主要イベントは少ないが、鉱工業生産指数に注目
- マイナスの数値が出ると景気減速懸念が強まりドル売りの可能性
明日の重要イベント
- 日銀金融政策決定会合
- FOMC
- どちらも政策金利は据え置き見通し
- 植田日銀総裁の記者会見での次の利上げへの距離感が焦点
投機筋ポジションの影響
- IMMポジションでは円ロングが過去最大を更新中
- これが解消されると円安方向に向かう可能性
- 円ロングが積み上がり始めたのは2月上旬
- 全て解消された場合は150円~155円が視野に
- 151.30円突破で下落トレンド解消の見方が強まり、円ロング解消の動きが加速する可能性
結論
ドル円は150円という心理的節目に迫っており、ウクライナ・ロシア停戦協議の進展次第では上抜ける可能性がある。明日の日銀会合とFOMCも重要なイベントだが、むしろその結果を受けた投機筋ポジション(過去最大の円ロング)の調整が相場の方向性を決める可能性が高い。テクニカル的には151.30円が下落トレンド解消の分岐点となっている。
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宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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