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FX「世界の分断は有事のドル買いか」

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総括

FX「世界の分断は有事のドル買いか」

ドル円=145-150、ユーロ円=156-161、ユーロドル=1.05-1.10

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価4位(4位)、秋のドル円。貿易赤字縮小もまだ赤字。資本のドル買戻しあり」
 秋によく見られるドル円の上昇が続く。貿易赤字大幅改善も黒字には至らず、年間では10兆円以下の赤字の見通しだがまだ大きい。去年のように年間20兆円ペースの赤字なら今頃は160円にのっていただろう。円安には資本も絡んでいる。日経平均の上昇で、投資のバランスが歪み、外債・外株残高が見劣りするので買い戻す。それに関わる円売りが出る。GPIFや生保がそうだ。特に生保は昨年からの投資方針では、外債・外株に消極的であったので、買戻し圧力も大きい。

 今年前半は去年に比べれば資源化価格も落ち着いていたし、サプライチェーン問題も改善していたが、このところの中国回避の動きやロシア・サウジの原油減産で原油価格が上昇していることも円売りが増えやすくなる。

 さてG20首脳会議では為替にも触れられている。2021年4月のG20財務相・中銀総裁会議を基にしたものだが、「為替レートは根底にある経済のファンダメンタルズを反映する」となっている。ファンダメンタルズや過度な変動は抽象的なものなので、当局の主観が影響する。ただ去年の30%のドル円上昇と比べれば今年は12%で変動は小さい。また円を買えば、インフレに敏感な他の通貨が売られインフレ上昇に作用してしまう。介入は難しく、継続性はないだろう。

スイスに出張する日銀総裁のコメントには気をつけたい。海外の方が本音が出やすい。

*米ドル「通貨4位(5位)、株価(NYダウ)11位(13位)、米中デカップリングなどでやや有事のドル買い。経済は順調だがリスクは上昇」
  今年前半より有事感がありドルが買われている。長引くウクライナ侵攻、米中デカップリング、ロシア・サウジの生産減産による原油価格の上昇などだ。BRICSサミットには参加した中国習国家主席はインドでのG20サミットを欠席した。G20サミットの首脳宣言では、ロシアを名指しはしなかったものの、国連憲章に基づき「すべての国は領土の獲得のための威嚇や武力の行使を控えなければならない」とした。
 また、米国は鉄道協定を結び、インドからアラブ首長国連邦、サウジアラビア、ヨルダン、イスラエルを経由してヨーロッパまで海運と鉄道を接続する。中国の一帯一路に対抗するものだ。

 さて国内では、今週は8月消費者物価(CPI)が注目される、クリーブランド連銀のCPIナウでは3.82%となっている。予想は3.6%で7月は3.2%。フェッドウオッチでは9月FOMCでは据え置きの隔離が92%だが、CPIが3%後半になれば、据え置き確率は低下するだろう。アトランタ連銀のGDPナウは5.6%と強い。中国よりも強くなるかもしれない。それもあってCNNの「恐怖と欲望指数」は51と7月の80超えから低下している。

*ユーロ「通貨5位(4位)、株価7位(7位)DAX)、ついにドルに抜かれる。ECB理事会は据え置きか」
 8週連続で対ドルで陰線。ついに、僅差だがドルに抜かれ5位に後退した。今週は注目のECB理事会がある。独の経済指標を見れば利下げもありうるが、インフレがまだユーロ圏で5%台、独で6%台で、これからは利上げもやむなしだが中庸をとって政策金利は据え置きとなる予想がやや多い。独の経済が弱い。ドイツ経済研究所は2023年の独経済見通しを6月時点の0.2%縮小から0.4%縮小に、2024年については1.5%成長から1.2%成長に下方修正した。個人家計消費の低迷と輸出の低迷が独の景気回復を妨げる主な要因。冬季不況を緩やかな回復で相殺することはできないため、今年縮小する主要経済国は独だけになるだろうとした。

 直近の指標では、7月の独の鉱工業生産指数は前月比0.8%低下した。予想の0.5%低下よりも大きな落ち込みとなった。ユーロ圏の牽引車であった独が足を引っ張る形となっている。
ECB内では、ビスコ・イタリア中銀総裁は、利上げを停止しなければならない水準にほぼ達したとの考えを示した。一方、クノット・オランダ中銀総裁は、市場は今週の利上げの可能性を過小評価しているかもしれないとの認識を示し、どのような決定になるか予断を許さないと述べた。 クノット氏は「2025年末に2%のインフレ目標を達成することが、最低限実現しなければならないことだと考え続けている」と指摘した。

*ポンド「通貨3位(3位)、株価19位(19位)、中銀、財務省ともにインフレ低下を予測。ただ9月は0.25%の利上げか」
 ユーロの8週連続対ドル陰線には及ばないがじり安推移している。対円ではしっかりしている。ベイリー中銀総裁は利上げサイクルは終了に「かなり近づいている」と述べた。同時に、インフレ圧力が根強いため、金利はまだ上昇する可能性があるとの認識も示した。 ディングラ政策委員は、金利はすでに十分に高い水準にあり、これ以上の利上げを行えば経済が打撃を受ける恐れがあると改めて警告した。 ディングラ氏はこのところの金融政策委員会で金利据え置きに投票している。 英中銀はインフレに対応するため、これまで14会合連続で利上げを決定。9月21日の次回金融政策委員会でも利上げを決定し、政策金利を5.5%に引き上げると予想されている。

 ハント英財務相は、インフレ率は今年末までに約5%と、今年1月時点の半分に低下するとの見通しを示した。 家計に対する圧力はインフレの沈静化に伴って和らぎ始めると指摘。英国の消費者物価指数は7月に前年比上昇率が6.8%に低下したが、依然としてG7の中では最も高い部類に入る。

  英求人雇用連盟は、経済見通しに対する懸念を背景に、8月の人材紹介会社を通じた正規雇用は2020年6月以来の大幅な落ち込みとなった。 英労働市場の減速の兆しが強まっている。 また、英中銀の英企業調査では、6-8月に調査した予想値上げ率が22年2月以来の低水準となった。

*豪ドル「通貨8位(8位)、株価15位(14位)、リセッションは回避の見通しで下げ止まる」
 年初来では豪ドルは弱い部類に入るが、このところ豪ドル円も、豪ドルドルもテクニカルで下げ渋っている。豪ドルドルはボリバン下限まで下落したからだろう。NZとともに中国景気の減速の影響も受けている。

 政策金利は予想通り据え置き、2Q・GDPは予想より強く、豪ドルもこじっかり推移した。政策金利は4.1%で据え置き。中銀が3カ月連続で金利を据え置いたことで、引き締めサイクルが終わったとの観測が一段と強まった。ロウ総裁は「インフレ率は低下しており、労働市場は引き続き堅調で、経済成長率は鈍化しているが、設備稼働率は高水準で推移している」と指摘。中国経済の不透明感にも言及した。

2Q・GDPは前年比では2.1%増加。予想の1.8%増を上回った。輸出と公共投資がけん引する一方、高水準の金利が需要を抑制し家計消費は低迷した。
チャルマーズ財務相は高水準の金利と中国を中心とする世界的な不確実性により、景気は大幅に減速するとの見通しを示した。ただリセッションは予想していないとした。
今週は8月雇用統計の発表がある。

*NZドル「通貨9位(9位)、株価19位(17位)、物価上昇、リセッションの中で総選挙へ、焦点は2Q・GDP」
 通貨も株価も弱く元気がない。円もさらに弱いため、NZドル円は下げ渋っているが対ドルでは弱い。NZの主要産業は酪農だ。乳製品は2023年4月までの1年間で約260億ドルの輸出収入を生み出した。これはNZドが稼いだ輸出額のおよそ4分の1を占めている。しかしこのところの乳性価格の下落は厳しい。9月の1回目のオークションは2.7%の価格上昇となったが、それ以前の過去7回は下落している。中国からの需要不足も効いている。
 
 今後の焦点は9月21日発表の2Q・GDPだ。現在22年4Q、23年1Qと前期比マイナス成長でリセッション中だ。2Qの予想は前期比0.5%増、前値日で2.9%増であり、リセッションを抜け出せるかどうかが焦点だ。

さてNZ議会(一院制。定数120)が解散した。10月14日に総選挙が行われる。与党・労働党が政権を維持できるか、最大野党・国民党が6年ぶりに政権を奪還するかが焦点となる。NZでは、深刻な物価上昇を背景に景気が後退しており、労働党が苦戦している。ラジオニュージーランド集計の平均支持率は、国民党が35.6%、労働党が27.5%、ACT党が13.4%、緑の党が12.2%などとなっている。国民党がリードしているが、どの党も過半数に届かず、連立政権となる可能性もある。

テクニカル分析

*ドル円「ボリバン2σ上限に貼りつく粘り」
日足、ボリバン2σ上限に貼りつく。9月8日は下ヒゲが長い。9月1日-81日の上昇ラインがサポート、9月7日-8日の下降ラインが上値抵抗。5日線。20日線上向き。
週足、6週連続で上値は切りあがった。22年10月17日週-23年9月4日週の下降ラインが上値抵抗。8月28日週-9月4日週の上昇ラインがサポート。5週線、20週線上向き。雲の上。
月足、7月は4か月ぶり陰線も長い下ヒゲで8月の陽線を誘導。5か月、20か月線は上向き。7月-8月の上昇ラインがサポート。22年10月-23年8月の下降ラインが上値抵抗。
年足、2023年はここまで陽線。2022年の長い上ヒゲを駆け上る。21年-22年、12年-21年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「8週連続週足陰線、日足はボリバン下限。」
日足、ボリバン下限。ただ上ヒゲ長い。9月5日-8日の下降ラインが上値抵抗。9月7日-8日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線下向き。
週足、8週連続陰線と弱い。8月28日週の長い上ヒゲが先週も下押す。中位を割る。5週線、20週線下向き。5月29日週-9月4日週の上昇ラインがサポート。8月28日週-9月4日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、7月の長い上ヒゲで8月は下落。9月も下落スタート。7月-8月の下降ラインが上値抵抗。23年6月-7月の上昇ラインを下抜く。22年10月-11月の上昇ラインがサポートだが瀬戸際。5か月線、20か月線下向き。
年足、年足ほぼ寄り引き同時。年初来でドルと強さは同じ。2022年は2年連続陰線もボリバン2σ下限到達し反発。22年の下ヒゲが長く反発力あり上昇したが元に戻る。02年-22年の上昇ラインがサポート。21年‐22年の下降ラインを上抜くも元に戻る。

*ユーロ円「159.767の年初来高値を更新後反落。ボリバン下限で反発」
日足、8月30日に159.767の年初来高値を更新後反落。ボリバン中位割るも下限で反発。7月28日-9月8日の上昇ラインがサポート。9月7日-8日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き、20日線下向き。
週足、ボリバン上位で推移。7月24日週-9月4日週の上昇ラインがサポート。2008年7月21日週-2023年8月28日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、6月は大陽線、7月は陰転も下ヒゲを出し8月の上昇へ。6月-7月の上昇ラインがサポート。2008年7月-23年8月の下降ラインが上値抵抗。5か月、20か月線は上向き
年足、3年連続陽線。今年はさらに大陽線。20年-22年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインを上抜く。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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