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【円安はいつまで続く?2026年ドル円相場展望】為替介入の可能性/貿易赤字が元凶/南アフリカランド・メキシコペソに注目/為替は需給で決まる/インフレ対策の提言/野村雅道 2025年12月26日

 

2025年の為替市場は、トランプ政権の誕生により大きく揺れ動きました。円安が進行する中、物価上昇への懸念が高まる一方で、企業収益や税収は過去最高水準を記録しています。果たして円安はいつまで続くのか、そして2026年の為替相場はどうなるのか。今回は、長年にわたり為替市場の最前線で活躍してきたFX湘南投資グループ代表の野村雅道氏をお招きして、ドル円相場や高金利通貨の今後の動向について聞きました。

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2025年は「不確実性の年」

2025年の為替市場は、トランプ政権の誕生により大きく揺れ動いた一年となりました。野村氏は「今年のような年はこれまでなかった」と振り返ります。市場の不確実性が高まり、資金がアメリカから流出する動きが顕著になったと分析しています。

主要12通貨を比較すると、円とドルは共に最下位レベルの争いをしており、両通貨とも弱い状況にあります。日本では「ドル高・円安」と報道されることが多いですが、グローバルな視点で見ると、ドルも決して強い通貨とは言えない状況です。

円安のメリットを再評価すべき

現在のドル円相場は157円台で推移していますが、野村氏は円安を一方的に悪いものと捉える風潮に疑問を呈します。

●円安がもたらす経済効果

・企業収益が過去最高水準に到達
・税収が40兆円から80兆円へと倍増
・対外純資産530兆円の評価益が増加
・GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の外貨資産130兆円も増加

野村氏は「9割くらいはメリットではないか」との見方を示しています。主な課題は物価上昇ですが、これについては政府が外貨準備の運用益(年間約8兆円)を活用して国民に還元する施策を検討する余地があるとの見解を示しています。

円安の主な要因

●貿易収支の構造変化

多くの専門家が金利差を円安の主要因として挙げる中、野村氏の見解は異なります。最大の要因として、2011年の東日本大震災後、原発が全停止したことで、30年連続で続いていた貿易黒字が貿易赤字に転じたことを指摘しています。

原発停止により、原油や天然ガス(LNG)の輸入量が急増し、構造的な貿易赤字が長期的な円安圧力の基盤となっているという分析です。

●NISA制度による資金流出

もう一つの大きな要因として、NISA制度による外貨投資の急増が挙げられます。2024年は28兆円、2025年5月以降も20兆円の外貨建て投資の買い越しとなっており、この資金流出が円安圧力を強めていると考えられます。

野村氏は「基本的には低金利通貨ほど強く、高金利通貨ほど弱いという傾向がある」と説明します。スイスフランやユーロが相対的に強い動きを見せていることが、この理論を裏付けているとしています。

注目される高金利通貨

●分散投資の動き

トランプ政権の政策による不確実性の高まりを受け、投資家は資金の分散を図る動きを強めています。野村氏が注目している通貨として、南アフリカランドとメキシコペソが挙げられます。

・南アフリカランド
資源国として、中国やBRICS諸国、欧州などからの支援を受けて比較的堅調な推移を見せています。今後、格付けが投資適格級(BBB)に引き上げられる可能性もあり、その場合は資金流入が期待できる可能性があります。

・メキシコペソ
既に投資適格級の格付けを持ち、2025年は強い通貨の一つとして注目を集めました。財政規律の改善も進んでおり、長期的な投資対象として魅力があると考えられています。

●高金利通貨投資の考え方

野村氏は「高金利通貨は長期保有することで利益を得られる可能性がある」との見方を示しています。

ただし、高金利通貨投資にはリスクも伴います。政治的不安定性、インフレ率の変動、格付けの変更などにより、想定外の為替変動が発生する可能性もあるため、十分な情報収集と分散投資が重要です。

効果的な情報収集法

新興国通貨への投資を検討する際は、現地の最新情報を入手することが重要です。野村氏が推奨する方法は以下の通りです:

・現地主要紙のX(旧Twitter)アカウントをフォロー
・各国大統領や政府高官の公式アカウントをチェック
・記事の見出しを自動翻訳機能で確認
・トレーディングエコノミクスなどの経済指標サイトを活用
・ジェトロのビジネス短信で分析を確認

翻訳技術の進歩により、言語の壁が大幅に低くなっています。ただし、一部の国では情報の信頼性に注意を払う必要があります。

2026年の展望

来年2026年は、アメリカの中間選挙が大きな転換点になる可能性があります。

・前半(選挙前)
選挙対策として、トランプ政権が国内経済を重視する政策を展開する可能性があり、一時的にドル高・円安が進む場面も想定されます。

・後半(選挙後)
仮に中間選挙で下院が民主党優位となった場合、再び政治の分断が深まる可能性があります。

・通年の見通し
トータルで見ると、円安基調が継続する可能性が高いと考えられます。ただし、これは現時点での分析であり、国際情勢や経済政策の変更により、見通しが変わる可能性もあります。

●重要な経済指標

野村氏は、為替相場を分析する上で以下の3つの要素が重要だと指摘します:

・貿易収支: 黒字か赤字かがトレンドを決定する主要因
・GPIF・年金基金の動向: 四半期ごとに公表される残高をチェック
・外貨投資の動き: 毎月公表される数字を継続的にモニタリング

これらのデータは全て公開情報であり、継続的にモニタリングすることで、相場の方向性を把握する助けになるでしょう。

まとめ

2025年は不確実性に満ちた一年でしたが、円安は日本経済に様々な効果をもたらしていると言えます。2026年も不確実性の高い市場環境が予想されますが、ファンダメンタルズを重視し、冷静な情報分析に基づいた投資判断が求められます。

高金利通貨への投資を検討する際は、十分な情報収集とリスク管理を行い、分散投資を心がけることが重要です。

 
野村雅道 氏
FX湘南投資グループ代表 1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。 87年米系銀行へ転出。外資系銀行を経て欧州系銀行外国為替部市場部長。外国為替トレーディング業務ヴァイスプレジデントチーフディーラーとして活躍。 財務省、日銀および日銀政策委員会などの金融当局との関係が深く、テレビ・ラジオ・新聞などの国際経済のコメンテイターとして活躍中。為替を中心とした国際経済、日本経済の実践的な捉え方の講演会を全国的に行っている。現在、FX湘南投資グループ代表。
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