主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年2月6日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼3日(金)の為替相場
(1):中国財新サービス業 5カ月ぶりに50.0上回る
(2):ユーロ圏PPI 減速
(3):米1月雇用統計発表
(4):米ISM非製造業 前月から上昇
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:落ち着きどころ定まりにくい展開/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
3日(金)の為替相場
期間:3日(金)午前7時10分~4日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国財新サービス業 5カ月ぶりに50.0上回る
中国1月財新サービス業PMIは52.9と予想(51.0)を上回り、前回(48.0)から上昇。活動拡大・縮小の分岐点である50.0を5カ月ぶりに上回った。
(2):ユーロ圏PPI 減速
ユーロ圏12月生産者物価指数(PPI)は前年比+24.6%と前月の+27.0%から減速したが、市場予想(+22.4%)は上回った。
(3):米1月雇用統計発表
米1月雇用統計は、非農業部門雇用者数が51.7万人増と予想(18.8万人増)を大幅に上回り、前月(26.0万人増)から増加幅が拡大した。失業率は3.4%と予想(3.6%)を下回り、1969年5月以来およそ54年ぶりの低水準を記録。一方で労働参加率は62.4%とわずかに上昇した(前回62.3%)。平均時給は前月比+0.3%、前年比+4.4%であった(予想+0.3%、+4.3%)。これを受けて米長期金利が急上昇する中、ドル/円は130円台へと急伸した。
(4):米ISM非製造業 前月から上昇
米1月ISM非製造業景況指数は55.2と予想(50.5)を上回り、前月(49.2)から上昇。ISM非製造業景況調査委員会の委員長は「反応は産業や企業ごとに異なるが、回答者の過半数は事業のトレンドが良い方向にあることを示唆している」と述べた。強い雇用統計に続くISM非製造業景況指数の上昇で、米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの観測が後退。ドル/円が131円台を回復して上昇するとクロス円もつれて強含んだ。
3日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:落ち着きどころ定まりにくい展開
3日のドル/円は前日比+1.9%の大幅高となり131円台を回復。米1月雇用統計と米1月ISM非製造業が揃って予想以上の好結果となったことなどを受けて131.21円前後までドル買い・円売りが進んだ。
また、今朝は一部メディアが、政府は次期日銀総裁として雨宮副総裁に就任を打診したと報じたことで一時132円台に続伸。雨宮氏は黒田総裁の下で副総裁として大規模金融緩和を進めてきた経緯があることから円売りを誘ったようだ。ただ、鈴木財務相が日銀総裁人事について「なにも聞いていない」と発言したことで131円台へと押し戻されている。
労働需給の引き締まりを再確認したことで利上げ長期化観測が広がったドルは本日も上昇が期待できよう。一方、早朝から次期日銀総裁を巡る報道に振り回された円の動きは読みづらい。ドル/円は本日も落ち着きどころが定まりにくい相場展開となりそうだ。
注目の経済指標:英建設業PMI
注目のイベント:英・ユーロ圏要人発言
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※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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