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メキシコペソ/円 12月見通し「ペソは方向感定まらず!ドルに対して上昇、円に対しては下落」YEN蔵

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目次

▼メキシコの経済状況は
▼メキシコ中銀の金融政策は
▼メキシコペソの見通し

メキシコの経済状況は

10月31日に発表された第3四半期のGDP速報値は前期比1%と第2四半期の0.9%、予想の0.7%を上回りました。前年同月比では4.2%と第2四半期の2.6%、予想の2.8%を上回りました。
前四半期比では第1次産業が1.8%、第2次産業が0.9%、第3次産業が1.2%の成長となりました。米国向け輸出や観光業などの成長が回復しました。
11月9日に発表された10月の消費者物価指数は前月比0.57%と前月の0.62%,予想の0.61%を下回りました。前年比も8.41%と前月の8.7%、予想の8.46%を下回りました。
ヘッドラインのインフレはピークアウトした可能性はありますが、コア指数は8.28%から8.42%に上昇しました。

メキシコ中銀の金融政策は

11月10日の金融政策理事会でメキシコ中銀は政策金利を0.75%引き上げ10%としました
声明文では消費者物価指数のヘッドライン見通しをわずかに下方修正する一方、コア見通しを若干上方修正するとしました。
インフレのリスクバランスはアップサイドに傾いていると警戒を示していますが、9月の声明では著しくアップサイドに傾いているとしていたため、警戒感を若干緩めました。
理事会の中で最もハト派的なエスキベル副総裁はFEDの利上げに対する追随を終了する好機と主張し0.5%の利上げを主張しました。エスキベル副総裁は利上げのピークを10~10.25%と予想としている一方で市場の予想では10.5%となっています。
前回の声明では次回会合(12月10日)で政策金利の引き上げ方向での調整としており、引き上げの可能性が高く、おそらく0.5%の引き上げが予想されます

メキシコペソの見通し

ドルペソは9月の安値19.75ペソ付近がサポートされ19.75~20.20ペソのレンジを予想していましたがサポートレベルを下抜けして11月15日に19.25ペソ付近まで下落しました。
11月2日のFOMC、米CPIの上昇減速による逆CPIショックによるドル安の流れを受けてドルペソも下落しました。
中期的なドルペソの節目は19.20ペソ(2017年7月の安値17.45~2020年4月の高値25.78ペソ)のフィボナッチ・リトレースメント78.6%)、19ペソ付近を予想します。
短期的には19.20~19.75ペソのレンジを予想します。
ペソ円は日銀のドル円の介入で高値の7.58円付近から7.255円付近まで下落しました。その後7.5570円付近まで上昇しましたがこのレベルが戻り高値となりました。
11月10日の逆CPIショックで7.10円付近まで下落しました。7.1円付近の75日移動平均線がサポートとして機能し7.29円付近まで反発しました。
7.3円付近に50日移動平均線が位置し、ここが抜けなければ7.1~7.3円のレンジが継続と予想します

MXN/JPY 日足

メキシコペソ 特設サイト:
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新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。

 

 
YEN蔵
株式会社ADVANCE代表取締役 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行で、20年以上にわたり、為替ディーラーとして活躍。現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。ドル、ユーロなどメジャー通貨のみならず、アジア通貨をはじめとするエマージング通貨でのディーリングについても造詣が深い。また、海外のトレーダー、ファンド関係者との親交も深い。ブログ「YEN蔵のFX投資術」、メルマガ「YEN蔵の市場便り」で個人投資家に対して為替に関する情報を発信しており、人気を博している。
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