2022年1月4日更新
銀行ディーラー時代の輝かしい実績を持ち、現在は国政で活躍中のマット今井こと今井雅人さんに、外貨の長期投資について解説をしていただきました。
政治の安定している国が最優先
長期の外貨投資を行ううえで最も大事なのは「政治の安定している国」を選ぶことだ。
その点では、独裁色の強い国の通貨、具体的にはトルコリラ、人民元、ロシアルーブルは避けたい。
これらの通貨にあえて投資をするのであれば、投資金額は少なくしておいた方が無難だ。
また通貨を取引する市場が大きくて、安定感がある国であることも重視したい。
すると投資先として豪ドルやNZドルが浮上してくる。
このところの為替チャートを見ると、豪ドル/円、NZドル/円はしっかりしている。
豪ドルやNZドルに次いで長期投資先の候補となるのは南アランド、メキシコペソだ。投資対象として多少は入れてもよいだろう。だた、レバレッジは控えめに。
また、金利差による利益を得る魅力は薄いものの、英ポンド、カナダドルも有効な投資先だと考える。
円安シナリオを打ち砕くのは米国株の暴落
スワップポイントを受け取るのであれば、外貨を買うことになる訳で、つまりは長期的な円安になる見通しがあることが前提だ。この前提が崩れるリスクシナリオとしては、米国株の暴落が挙げられる。ただ、暴落の可能性は、2022年1月段階では低いと考えている。
新型コロナの脅威から世界各国が脱し、コロナ禍が終息した際は、市場に潮目の変化があり得るため、注意はしておきたい。
まとめ
豪ドル/円やNZドル/円をメインに、南アランド/円やメキシコペソ/円は少額で取引を構築するアイディアだ。
参考動画:
2021年5月11日開催 今井雅人氏セミナー
今井雅人 氏
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。