
執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2026年6月19日 16時00分
ドル円は6月15日〜19日の週に約2年ぶりとなる161円台後半へ上昇し、依然として高値圏での推移が続いています。高値警戒感が意識される中、今後は米PCEデフレーターや日本政府の為替対応が焦点となりそうです。
予想レンジ:ドル円:159.00〜163.00
ドル円、約2年ぶりの161円台へ上昇
6月15日〜19日週のドル円は、約2年ぶりとなる161.811円まで上昇しました。日銀は政策金利を0.75%程度から1.0%程度へ引き上げました。ただし、今後の利上げペースについては中東情勢や経済・物価動向を見極める姿勢を示し、追加利上げを急ぐ印象は限られました。逆に米FRBは据え置きながら、従来の年内利下げ見通しから年内利上げの可能性へ方向転換したため、政策スタンスの差がドル高・円安を促しました。
ドル円見通し:FRBタカ派姿勢が支え、でも予防的側面も
米FRBによる「フォワードガイダンス廃止」の影響やドルの底堅さは、日米金利差の観点からドル円の下値を支える要因となります。ただし、今回の利上げ観測は、景気過熱に対応する本格的な利上げサイクルというより、エネルギー価格など一時的要因によるインフレ粘着性への予防的な微調整にとどまる可能性が高い点は注意が必要です。
米PCEと日本政府の介入姿勢が焦点
来週発表される米PCEデフレーターなどが強ければ利上げ期待は高まるものの、インフレによって家計の購買力には不透明感が残る中で、市場が本格的な利上げサイクルを織り込むには時期が早すぎます。また、ガイダンス廃止も一時的には変動性を高める要因となっても、持続的なドル高を支える根拠としては不十分です。
一方、現在のドル円の水準は、日本政府が急激な為替変動への警戒を強めやすい水準となり、市場でも介入が警戒されています。ただし、介入は米国との政策協調や効果の持続性も意識されるため、実施の有無はなお不透明です。
以上を踏まえると、ドル円は高値警戒の高まりから上昇ペースは早まりにくいものの、緩やかに下値を切り上げる展開が見込まれそうです。
ドル円テクニカル分析:161.80円超えなら、163円を意識
ドル円は、10日移動平均線の160.55円付近、50日移動平均線の159.10円付近を上回っており、上昇基調が続いています。短期的にはドル高・円安方向の流れが優勢です。
ただし、RSI(9日)は73.0と高く、買われ過ぎ感も出ています。上値は直近高値の161.80円付近を上抜けられるかが焦点で、突破すれば163.00円付近が視野に入ります。
下値は160.55円付近、さらに159.10円付近が支えです。予想レンジは159.00円〜163.00円。上昇基調は維持しつつも、短期的な調整には注意したい局面です。
【ドル円チャート 日足】

2026年6月22日〜26日の重要経済指標・イベントスケジュール
- 6月22日(月)
- 22:00 アメリカ ウォラーFRB理事、発言
- 23:00 ユーロ 6月消費者信頼感(速報値)
- 6月23日(火)〜25日(木)
- 世界経済フォーラム(WEF)、夏季ダボス会議
- 6月23日(火)
- 17:00 ユーロ 6月製造業・サービス業PMI速報値
- 17:30 イギリス 6月製造業・サービス業PMI速報値
- 22:45 アメリカ 6月製造業・サービス業PMI速報値
- 6月24日(水)
- 08:50 日本 5月企業向けサービス価格指数(前年同月比)
- 08:50 日本 金融政策決定会合における主な意見(6月15・16日分)
- 15:40 日本 植田和男日銀総裁、発言
- 17:00 ドイツ 6月IFO企業景況感指数
- 23:00 アメリカ 5月新築住宅販売件数
- 6月25日(木)
- 08:50 日本 対外対内証券売買契約等の状況
- 10:00 日本 田村日銀審議委員、発言
- 15:00 ドイツ 7月GFK消費者信頼感調査
- 21:30 アメリカ 5月個人所得
- 21:30 アメリカ 5月個人消費支出(PCE)
- 21:30 アメリカ 新規失業保険申請件数
- 21:30 アメリカ 5月耐久財受注
- 21:30 アメリカ 5月耐久財受注・輸送用機器除く(前月比)
- 21:30 アメリカ 1-3月期四半期実質国内総生産(GDP、確定値)
- 28:40 アメリカ NY連銀総裁、発言
- 6月26日(金)
- 07:30 アメリカ シカゴ連銀総裁、発言
- 08:30 日本 6月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)
- 23:00 アメリカ 6月ミシガン大学消費者態度指数・確報値
- 24:30 アメリカ ミネアポリス連銀総裁、発言
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小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。
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