主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年12月29日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼28日(木)の為替相場
(1):オーストリア中銀総裁 市場をけん制
(2):米新規失業保険申請件数は予想を上回る
(3):米7年債入札はやや不調
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:方向感が出にくい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
28日(木)の為替相場
期間:28日(木)午前7時10分~29日(金)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):オーストリア中銀総裁 市場をけん制
オーストリア中銀のホルツマン総裁は「現時点で利下げを考えるのは時期尚早」「2024年に利下げする保証はない」などと述べて、欧州中銀(ECB)による来年3月の利下げ開始を7割方織り込んだ市場の動きをけん制した。
(2):米新規失業保険申請件数は予想を上回る
米新規失業保険申請件数は21.8万件と市場予想(21.0万件)を上回り前週(20.6万件)から増加。ただ、労働情勢をより基調的に捉えた4週平均は21.2万件と前週からほぼ変わらずだった。
(3):米7年債入札はやや不調
米7年債入札(400億ドル)は落札利回りが入札前の取引水準を上回るなどやや不調だった。これを受けて米長期金利が上昇するとドルに買い戻しが入り、ドル/円は141円台半ばへと持ち直した。
28日(木)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:方向感が出にくい
昨日のドル/円は一時140円台前半へと下落して5カ月ぶり安値を更新。米国の早期利下げを意識したドル売りが根強く、心理的節目の141.00円や今月14日安値の140.96円前後を下抜けると下げに弾みが付いた。NY市場では140.26円前後まで下値を切り下げて7月28日以来の安値を付けた。ただ、売り一巡後は前日に大きく低下した米長期金利が持ち直した動きにつれて141円台を回復。前日比0.3%安の141.41円前後で取引を終えた。
年末最終取引となる本日もドル/円は不安定な値動きが続きそうだ。今月に入り米国株の上昇が顕著なことなどから、投資家のリバランス(投資資金再分配)としてドル売りが出やすいとの観測もあるが、月末・四半期末・年末の国際資金フローには未知数な部分が多い。薄商いが予想されるだけに、そうしたフローが為替レートの不規則変動を引き起こす可能性が高い。9時55分の仲値公示やロンドン16時(日本時間25時)などのフィキシングタイム(値決め時間は特に注意が必要だろう。本日のドル/円はフロー中心の値動きが見込まれることから方向感が出にくいと見る。
注目の経済指標:シカゴ購買部協会景気指数
注目のイベント:特になし
特になし
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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