主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年5月10日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼9日(火)の為替相場
(1):植田日銀総裁 国会答弁で一時円高
(2):中国貿易収支は予想を上回る貿易黒字
(3):NY連銀総裁 年内利下げに否定的な発言
(4):米債務上限問題 新たな動きはなし
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米CPI待ちの様子見ムード/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
9日(火)の為替相場
期間:9日(火)午前6時10分~10日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):植田日銀総裁 国会答弁で一時円高
植田日銀総裁は国会答弁で、持続的・安定的に物価2%が達成されるという見通しに至った場合、「現在の長短金利操作をやめ、その後、バランスシートの縮小という作業に取りかかっていきたい」と発言。「インフレ期待も含めて基調的なインフレ率にある程度良い芽が出てきている」との見解も示した。これを受けて一時的に円が買われる場面があった。
(2):中国貿易収支は予想を上回る貿易黒字
中国4月貿易収支は902.1億ドルの黒字となり、黒字額は予想(712.5億ドル)を上回った。輸入の減少(前年比-7.9%)が貿易黒字を押し上げた。
(3):NY連銀総裁 年内利下げに否定的な発言
NY連銀のウィリアムズ総裁は「信用状況の推移と、それが成長や雇用、インフレの見通しに与える影響の見極めに特に重点を置いていく」と発言。6月の利上げ停止の可能性について質問されると「政策は会合ごとに定められ、入手するデータによって決まる」として明言を避けた。一方、年内の利下げに関する質問には「年内に利下げする理由は見当たらない」「かなりの長期間、景気抑制的なスタンスを維持する必要がある」と回答した。
(4):米債務上限問題 新たな動きはなし
米ホワイトハウス報道官はバイデン大統領と議会指導部による債務上限を巡る会合を前に「暫定的な債務上限引き上げはわれわれの計画ではない」と表明。これより前には野党共和党のマッカーシー下院議長も、9月末までの暫定的な債務上限引き上げに反対との見解を示していた。なおその後、バイデン大統領と議会指導部による会合に新たな動きが見られなかったことも明らかになった。
9日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:米CPI待ちの様子見ムード
昨日のドル/円は135.00円を挟んでもみ合う展開だった。手掛かり材料を欠く中で米債利回りの動きに追随。東京市場で134.72円前後まで弱含んだが、NY市場では135.36円前後へと持ち直した。終値は135.24円前後で前日比0.1%未満の小幅高だった。
市場の関心は本日発表される米4月消費者物価指数(CPI)に向けられている。市場予想は前年比+5.0%、コア前年比+5.5%となっており、高止まりが続く見込みだ。現状、米金利先物が織り込む6月米連邦公開市場委員会(FOMC)における25bp(0.25%ポイント)の追加利上げ確率はわずか20%。米CPIが予想を上回れば、利上げ期待が高まる余地は十分にありそうだ。売買の交錯が見込まれる5・10日の仲値公示を通過すれば、市場は米CPI待ちの様子見ムードに傾くと見られる。
注目の経済指標:米消費者物価指数
注目のイベント:米10年債入札
※時間は日本時間での表示になります。
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※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。