主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年4月3日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼31日(金)の為替相場
(1):東京都区部CPI コアは小幅に鈍化
(2):中国製造業PMI 予想を上回る
(3):英GDP 上方修正
(4):ユーロ圏のインフレは大きく鈍化
(5):米PCE 伸びが鈍化
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上下ともに大きく動く可能性/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
31日(金)の為替相場
期間:31日(金)午前6時10分~1日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):東京都区部CPI コアは小幅に鈍化
日本の3月東京都区部消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除いたコアベースで前年比+3.2%となり、前月(+3.3%)から伸びが小幅に鈍化した。一方、生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIは前年比+3.4%で、前月(+3.1%)から加速した。
(2):中国製造業PMI 予想を上回る
中国3月製造業PMIは51.9と市場予想(51.6)を小幅に上回ったが、前月(52.6)から低下した。一方、非製造業PMIは58.2と予想(55.0)および前月(56.3)を上回った。
(3):英GDP 上方修正
英10-12月期国内総生産(GDP)・改定値は前期比+0.1%と、速報値の±0.0%から上方修正された。英10-12月期経常収支は25億ポンドの赤字であった(予想:175億ポンドの赤字)。
(4):ユーロ圏のインフレは大きく鈍化
ユーロ圏3月消費者物価指数(HICP)・速報値は前年比+6.9%と予想(+7.1%)を下回り前月(+8.5%)から大きく鈍化した。一方、エネルギーや食品などを除いたコアHICPは前年比+5.7%で、予想通りに前月(+5.6%)から伸びが加速した。ラガルド欧州中銀(ECB)総裁はその後、「コアインフレは際立って高すぎる」とした上で「2%のインフレ率へと戻すためにすべきことがまだある」と述べた。また「最近の金融市場に見られるストレスがインフレとの闘いを妨げることはない」との見解も繰り返した。
(5):米PCE 伸びが鈍化
米2月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は前年比+5.0%、同コアPCEデフレーターは前年比+4.6%であった。いずれも市場予想(+5.1%、+4.7%)をやや下回って伸びが鈍化した。なお、その後に発表された米3月シカゴPMIは43.8(予想43.0、前回43.6)であった。
31日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
- ※ 「外為注文情報」とは、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況を確認できるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(無料)では「取引分析」 を選択することで、チャート上に注文情報の表示が可能です。
- ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。
人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:上下ともに大きく動く可能性
前週末31日のドル/円は月末・四半期末のドル買いと米長期金利の低下を受けたドル売りが交錯。132円台の下値は堅かったものの、米2月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)の鈍化が重しとなり133円台では伸び悩んだ。前日比10銭余り高い132.80円台で3月の取引を終えた。
本邦勢が新年度に入り海外勢は新四半期に入ることでドル/円相場も仕切り直しとなる本日は、原油価格の急騰を受けて133円台へと上昇して始まっている。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国でつくる「OPECプラス」が2日に追加減産を決めたことで原油価格が急騰しており、日本の貿易赤字拡大が意識されているようだ。原油高は米長期金利の上昇圧力にもなり得るため、海外市場の動きに注目したい。
また、本日はNY市場で米3月ISM製造業景況指数が発表される。市場予想は47.5となっており、前月の47.7から小幅に低下する見通しだ。米国景気の先行きを巡る見方が分かれているだけに、3月ISM製造業景況指数の結果次第でドルは上下ともに大きく動く可能性がある。
注目の経済指標:米ISM製造業景況指数
注目のイベント:米要人発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。