主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年3月6日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼3日(金)の為替相場
(1):東京CPI(コア)、1年1カ月ぶりに伸びが縮小
(2):中国財新サービス業PMI、2カ月連続で50.0を上回る
(3):ユーロ圏PPI、大幅に減速
(4):米ドル、週末を控えた持ち高調整
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:値幅は限られる公算/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
3日(金)の為替相場
期間:3日(金)午前7時10分~4日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):東京CPI(コア)、1年1カ月ぶりに伸びが縮小
東京都区部2月消費者物価指数(除生鮮食、コアCPI)は前年比+3.3%と予想と一致し、前月(+4.3%)から伸びが鈍化。政府による電気・ガス料金の抑制策の効果が表れ、1年1カ月ぶりに伸び率が縮小した。ただ、生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIは前年比+3.2%と予想(+3.1%)を上回り前月(+3.0%)から加速した。
(2):中国財新サービス業PMI、2カ月連続で50.0を上回る
中国2月財新サービス業PMIは55.0と予想(54.5)を上回り、前回(52.9)から上昇。活動拡大・縮小の分岐点である50.0を2カ月連続で上回った。
(3):ユーロ圏PPI、大幅に減速
ユーロ圏1月生産者物価指数(PPI)は前年比+15.0%と予想(+17.8%)を下回り、前月の+24.5%から大幅に減速した。なお、この日、ベルギー中銀のウンシュ総裁は「もしコアインフレが現在の欧州で見られる5%超の水準にとどまり、コアインフレが低下しているという明確なシグナルが得られない場合、さらなる対応が必要になるだろう」とした上で「私としては、(政策金利の)4%という水準の検討も排除しない」と述べた。
(4):米ドル、週末を控えた持ち高調整
米2月ISM非製造業景況指数は55.1と予想(54.5)を上回ったが、前月(55.2)からわずかに低下した。構成指数の「新規受注」や「雇用」は前月から上昇した一方、「仕入れ価格」は低下。週末を控えた持ち高調整の動きも相まって米長期金利とドルの戻りは鈍かった。
3日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:値幅は限られる公算
3日のドル/円は135円台へと反落。週末を控えて米長期金利が低下する中、持ち高調整と見られるドル売りも相まって136円台を割り込んだ。米2月ISM非製造業景況指数は予想を上回ったが、ドル買いの勢いは鈍かった。なお、先週一時4.09%付近まで上昇した米10年債利回りは3日のNY市場で3.95%付近へと低下しており、週明けの本日も引き続き米長期金利の動向がカギとなりそうだ。
もっとも、市場は明日7日に行われるパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言に注目していることから、本日については米長期金利の大幅な動きは期待しにくい。ドル/円も値幅は限られる公算で、136円ちょうどを挟んだ展開になりやすいと見られる。
注目の経済指標:特になし
注目のイベント:レーンECB専務理事発言
※時間は日本時間での表示になります。
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※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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