主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年1月23日9時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼20日(金)の為替相場
(1):本邦CPIは41年ぶりの伸び率
(2):英小売は予想に反して減少
(3):黒田総裁、緩和継続方針を改めて示す
(4):米中古住宅は予想ほど落ち込まず
(5):ウォラーFRB理事、0.25%利上げを支持
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:日銀に注目/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
20日(金)の為替相場
期間:20日(金)午前7時10分~21日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦CPIは41年ぶりの伸び率
日本12月消費者物価指数(CPI、除生鮮食)は前年比+4.0%と、予想通りに前月(+3.7%)から伸びが加速。伸び率は41年ぶりの高さとなった。生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIは前年比+3.0%だった(予想+3.1%、前月+2.8%)。
(2):英小売は予想に反して減少
英12月小売売上高は前月比-1.0%と予想(+0.5%)に反して減少。英国立統計局(ONS)は「12月は小売売上高が再び減少した。フィードバックによると、消費者は割高感を理由にクリスマスの出費を抑えたようだ」と指摘した。
(3):黒田総裁、緩和継続方針を改めて示す
黒田日銀総裁はダボス会議のパネル討論で、日本の現在のインフレは主として輸入物価上昇によるものだと指摘。インフレ率は来月から低下し始めるとの見通しを示した。また、過去10年にわたる大規模金融緩和策により、日本経済をデフレやゼロ成長から脱却させたと成果を強調。現行の緩和策を継続する方針を改めて示した。これを受けて日銀が3月にも大規模金融緩和の修正に動くとの観測が後退すると円売りが優勢となった。
(4):米中古住宅は予想ほど落ち込まず
米12月中古住宅販売件数は年率換算402万件と予想(395万件)ほどには落ち込まなかったが、11カ月連続で前の月から減少した。
(5):ウォラーFRB理事、0.25%利上げを支持
米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は「次回会合で25bp(0.25%ポイント)の利上げを支持する」と発言。これより前にはハーカー米フィラデルフィア連銀総裁も同様の見解を示し、利上げ幅がさらに縮小するとの市場の見方を肯定した。ただ、いずれも継続的な引き締めの必要性を強調して早期の利下げ転換には否定的な見方を示した。
20日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:日銀に注目
20日のドル/円は終値ベースで約0.9%上昇。黒田日銀総裁がダボス会議で、現行の緩和策を継続する方針を改めて示したことが週末を控えたショートカバーの動きに拍車をかけたと見られ、一時130.61円前後まで上伸した。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースがさらに減速するとの見方からドルの上値は重く129円台に押し戻されて取引を終えた。
本日は、日銀の動向に注目が集まりそうだ。日銀は、昨年12月会合の議事録を公表する他、午前の金融調節で「共通担保資金供給オペ」を実施する。昨年12月会合におけるイールドカーブ・コントロール(YCC)修正は、市場に「事実上の利上げ」と受け止められ、長期金利の急上昇とともに円が急騰した経緯がある。先週の会合で拡充を決めた「共通担保資金供給オペ」では、過去最長となる5年物の資金を市場に供給する。これらを受けて日銀の狙い通りに長期金利が低下すれば円が売られやすくなりそうだ。ただし、ドル/円の130円台半ばから131円台にかけては非常に強い上値抵抗が存在する。130円台では伸び悩む展開も続きそうだ。
注目の経済指標:ユーロ圏消費者信頼感
注目のイベント:共通担保資金供給オペ
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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