主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年1月11日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼10日(火)の為替相場
(1):東京都区部CPI 約40年ぶりの高い伸び
(2):FRB議長からタカ派発言は出ず
(3):世界銀行 世界経済の成長見通しを引き下げ
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米CPI控え上値の重い展開に/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
10日(火)の為替相場
期間:10日(火)午前7時10分~11日(水)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):東京都区部CPI 約40年ぶりの高い伸び
東京都区部12月消費者物価指数(CPI、除生鮮食)は前年比+4.0%と市場予想(+3.8%)を上回り、1982年4月以来、約40年ぶりの高い伸びとなった。日銀の緩和修正を巡る思惑で円が強含む場面もあったが一時的だった。
(2):FRB議長からタカ派発言は出ず
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長はスウェーデン中銀主催のシンポジウムで講演。「インフレ時には物価の安定を回復するために、短期的に不人気な政策も求められる」などと述べた。今後の金融政策について踏み込んだ発言がなかったことから、議長のタカ派発言を見越して上昇していたドルは上げ幅を縮小した。
(3):世界銀行 世界経済の成長見通しを引き下げ
世界銀行は2023年の世界経済の成長率見通しを1.7%に引き下げたと発表。前回見通しで示した3.0%から大幅に下方修正した。世銀は「高インフレと、それに対応した各国の利上げが世界経済を景気後退に追いやる危険性をはらんでいる」と指摘した。国別では米国を0.5%(前回2.4%)、ユーロ圏を0%(前回1.9%)、日本を1.0%(前回1.3%)、中国を4.3%(前回5.2%)と予測した。
10日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:米CPI控え上値の重い展開に
昨日のドル/円は前日比0.3%高の132.24円前後で取引を終えた。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長によるタカ派発言を見込んで132.48円前後まで上昇したが、議長が金融政策に関する踏み込んだ発言を避けたことから伸び悩んだ。
市場の関心は明日12日に発表される米12月消費者物価指数(CPI)に移っている。米12月CPIは2021年10月以来の前年比+6.5%に伸びが鈍化すると予想されていることからドルの上値は限定的だろう。133.00円付近には20日移動平均線も通っており、この水準は強い上値抵抗になりそうだ。
一方で、米12月CPIの結果を確認するまではドルの下値を売り込む動きも限られると見られ、131円台を割り込む公算は小さいだろう。
注目の経済指標:豪11月貿易収支(12日)
注目のイベント:米10年債入札
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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