主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年12月26日8時55分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼23日(金)の為替相場
(1):日本CPI 1981年12月以来の高水準
(2):日銀金融政策決定会合の議事要旨を公表
(3):米個人消費支出 予想を下回る
(4):米新築住宅販売件数 2カ月連続の増加
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:薄商いの中、円相場急変に注意/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
23日(金)の為替相場
期間:23日(金)午前7時10分~24日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本CPI 1981年12月以来の高水準
日本11月消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除いたコア指数が前年比+3.7%と予想と一致。前月の+3.6%から伸びが加速し1981年12月以来の高水準を記録した。8カ月連続で日銀の物価目標である+2.0%を上回った。なお、生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIは前年比+2.8%だった(予想+2.8%、前回+2.5%)。
(2):日銀金融政策決定会合の議事要旨を公表
日銀は10月に開いた金融政策決定会合の議事要旨を公開。目標の2%を超えている物価上昇率について「来年度半ばにかけてプラス幅を縮小していくとの見方で一致」したことが明らかになった。長期金利の変動幅を0.25%程度としていたことについて、ある委員は「市場にマイナスの影響を与える」と指摘。また、大規模な金融緩和についても「副作用に目を向ける必要がある」との見解が示された。一方で「物価と賃金上昇の好循環を妨げるリスクもあり、粘り強く金融緩和を行う必要がある」として早期の緩和修正に消極的な意見も複数の委員から挙がった。
(3):米個人消費支出 予想を下回る
米11月個人消費支出(PCE)は前月比+0.1%と予想(+0.2%)を下回った。同PCE物価指数(デフレーター)は前年比+5.5%と予想と一致、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは前年比+4.7%と予想(+4.6%)を上回った。同時に発表された米11月耐久財受注は、前月比-2.1%と予想(-1.0%)を下回った。変動の大きい輸送用機器を除いた受注は前月比+0.2%と予想(±0.0%)を上回った。
(4):米新築住宅販売件数 2カ月連続の増加
米10年債利回りが3.75%近くまで上昇。ドル/円もつれて133.14円前後まで上値を伸ばした。その後発表された米11月新築住宅販売件数は年率換算64.0万件と予想(60.0万件)を上回り2カ月連続の増加となった。
23日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:薄商いの中、円相場急変に注意
23日のドル/円は終値ベースで約0.3%上昇。米長期金利の上昇を受けて133.14円前後まで上値を伸ばす場面もあった。米11月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は食品とエネルギーを除いたコア指数が前年比+4.7%となり予想(+4.6%)を上回った。伸びが鈍化したとはいえ、米連邦準備制度理事会(FRB)のインフレ目標である2%を依然として大きく上回っている。
本日26日は、クリスマスの振替休日でロンドンやニューヨークなど、欧米主要市場が休場となることから、東京市場のドル/円は動意に乏しい展開が見込まれる。ただ、黒田日銀総裁の講演が予定されており、その発言には注目が集まりそうだ。
経団連のイベントでの講演だけに賃上げに関する発言は必至と見られ、その流れで金融緩和の修正に話が及ぶ可能性もないとは言えないだろう。薄商いの中で円相場が急変動するリスクにも備えが必要となりそうだ。なお、本日の外為どっとコムの取引は15時で終了する。
注目の経済指標:特になし
特になし
注目のイベント:黒田日銀総裁講演
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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