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FX/為替「ドル/円、徐々にレンジへ移行」 外為どっとコム トゥデイ 2022年11月17日号

外為どっとコム トゥデイ

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2022年11月17日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼16日(水)の為替相場
(1):豪7-9月期賃金指数 予想を上回る
(2):露・NATOの衝突は避けられるとの公算高まる
(3):英CPI 41年ぶりの高水準
(4):米小売売上高 予想を上回る
(5):複数の米要人発言

▼16日(水)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:徐々にレンジへ移行/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

16日(水)の為替相場

期間:16日(水)午前7時10分~17日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):豪7-9月期賃金指数 予想を上回る

豪7-9月期賃金指数は前年比+3.1%と予想(+3.0%)を上回り、4-6月期(+2.6%)から伸びが加速した。7月から最低賃金の引き上げが実施された事などが影響した模様。

(2):露・NATOの衝突は避けられるとの公算高まる

米国のバイデン大統領は、前日にポーランドに着弾したミサイルについて「軌道を見る限りロシアから発射された可能性は低い」との見解を示した。ロシアと北大西洋条約機構(NATO)の衝突は避けられる公算が高まったとの見方からユーロが上昇。リスク選好の円売りも相まってユーロ/円を中心にクロス円が上昇した。ドル/円も上昇したが、ユーロに対するドル安の影響などから上げ幅は小さかった。

(3):英CPI 41年ぶりの高水準

英10月消費者物価指数(CPI)は前年比+11.1%と予想(+10.7%)を上回り、41年ぶりの高水準となった。エネルギー・食品・アルコール飲料・タバコを除いたコアCPIも前年比+6.5%と予想(+6.4%)を上回る伸びとなった。ただ、市場の反応は限定的だった。その後、ベイリー英中銀(BOE)総裁は「冬以降のインフレの顕著な低下を見込む」などと述べた。

(4):米小売売上高 予想を上回る

米10月小売売上高は前月比+1.3%と予想(+1.0%)を上回った。自動車を除いた売上高も前月比+1.3%と予想(+0.5%)を上回る伸びとなった。自動車とガソリンを除けば+0.9%だった(予想+0.2%)。高インフレや金利上昇の中でも消費が堅調であることを示す結果となり、一時ドル買いが強まった。ただ、140円台に乗せると戻り売りが強まり、139円台前半へと反落した。米10月鉱工業生産が前月比-0.1%と予想(+0.1%)を下回ったことも重しとなった。

(5):複数の米要人発言

米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は「50bpの利上げ減速に対する違和感は薄れた」と発言。これを受けてドルはやや下落した。これより前にカンザスシティ連銀のジョージ総裁は「利上げを継続する必要があるが、利上げペースを緩めるべき」、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は「現在、利上げの一時停止は検討されておらず、ペースは議論中」などと述べた。

16日(水)の株・債券・商品市場

ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ 「外為注文情報」とは、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況を確認できるツールのことを指します。
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:徐々にレンジへ移行

昨日のドル/円は終値ベースで約0.2%上昇。138.70円台まで下落する場面もあったが、140.20円台へと切り返すなど底堅く推移した。一方で、米10月小売売上高が予想を上回る伸びとなったにもかかわらず140円台に定着できず139円台へ押し戻されるなど上値は重かった。

来週に米感謝祭休暇を控える中、米国の利上げペースダウンを見越したドル売りは一巡したと見るが、ドルをあらためて買う動きは強まりにくいようだ。ドル/円は来週にかけて徐々にレンジ色の強い相場展開へ移行すると見られ、本日も落ち着きどころを探る動きが続くだろう。

注目の経済指標:米新規失業保険申請件数

注目のイベント:英秋季財政計画発表

※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。

 
kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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