主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年10月24日9時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼21日(金)の為替相場
(1):日本CPI 6カ月連続で+2.0%を上回る
(2):英小売売上高 予想を下回る
(3):9月22日以来の円買い介入の可能性
(4):FRBによる利上げペースが減速する可能性
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:介入を巡り市場と本邦当局の神経戦/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
21日(金)の為替相場
期間:21日(金)午前6時10分~22日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本CPI 6カ月連続で+2.0%を上回る
日本9月消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除いたコア指数が前年比+3.0%と予想と一致。6カ月連続で日銀の物価目標である+2.0%を上回り、8月の+2.8%から伸びが加速した。消費税引き上げの影響を除けば1991年9月以来の3%台となる。なお、生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIは前年比+1.8%だった(予想+1.8%、前回+1.6%)。
(2):英小売売上高 予想を下回る
英9月小売売上高は前月比-1.4%と予想(-0.5%)より減少。自動車燃料を除いた売上高は前月比-1.5%だった(予想-0.4%)。
(3):9月22日以来の円買い介入の可能性
1990年7月以来の高値となる151.94円前後へと上昇していたドル/円が急落。政府・日銀が9月22日以来の円買い介入を実施したとの観測が広がった。神田財務官は為替介入について「コメントしない」と発言したが、一部メディアは財務省関係者が介入の事実を明らかにしたと報じた。ウォール・ストリート・ジャーナル紙が、FRB当局者の一部から近く利上げペースを緩めるべきとの声が上がり始めているとの観測記事を配信したこともドル売り・円買いを誘ったと見られる。ドル/円はその後、146.16円前後まで大幅に下落し、クロス円もそれにつれて下落した。
(4):FRBによる利上げペースが減速する可能性
デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げペースについて「ペースを緩める時期に近づいている可能性がある」と発言。また「中立金利は3-3.50%としたい」と述べて、従来よりもハト派的な見解を示した。
21日(金)の株・債券・商品市場
外為注文情報
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本日の見通し
ドル/円の見通し:介入を巡り市場と本邦当局の神経戦
21日のドル/円は32年ぶり高値から急反落。日米金利差拡大を意識したドル買い・円売りが強まると1990年7月以来の151.94円前後まで上伸したが、日本時間23時半過ぎに突如として急落した。政府・日銀による「覆面介入」と見られる円買いが入ったほか、米連邦準備制度理事会(FRB)が12月会合で利上げペースを緩める可能性について米メディアが報じたことでドル売りも入り、一時146.16円前後まで下落。その後、やや値を戻して前日比1.7%安の147.63円前後で取引を終えた。
これにより、日足の連続陽線は12でストップ、週足も10週ぶりの陰線引けとなった。上昇トレンド自体に大きな崩れはないが、目先的には151.94円前後が天井となりそうなチャートフェースで、上値追及の流れはひとまず弱まりそうだ。
今朝は押し目拾いと見られる買いで149円台前半へと反発しているが、150.00円を超えれば介入への警戒感が再び高まることになるだろう。ドル/円は本日も、介入を巡り市場と本邦当局の神経戦が続く公算が大きい。
注目の経済指標:各国PMI・速報値
注目のイベント:英保守党党首選
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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