豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
本日10月4日 12:30発表!
・前回9月6日の豪準備銀行(RBA)理事会で政策金利は市場予想通り0.50%の利上げが発表された。政策金利を2.35%とした。
・WTI原油価格は反発。OPECプラスが10月5日の会合で追加減産に動くとの思惑から、大幅に反発。一時1バレル=84ドル台まで上昇した(10月03日)。
・9月29日に豪統計局は7,8月の月次消費者物価指数(CPI)を発表。7月が前年比+7.0%、8月が6.8%とインフレ率は高止まりしている。7月27日発表の豪2022年4-6月CPIは前年比+4.9%(トリム平均)と、インフレ率は前期(+3.7%)から急伸する結果となった。
・8月分の豪雇用者数は3.35万人増と予想の3.5万人増を下回る。失業率は3.5%に上昇したが、労働参加率が66.6%(前月66.4%)に上昇した(9月15日)。
・2022年4‐6月期の賃金指数(前年比)は+2.6%と市場予想(+2.7%)を下回る。前期比は+0.7%(前回:+0.7%)と、賃金は堅調さを維持している(8月17日)。
今日のメインシナリオ
注目のRBA会合!利上げ幅は0.25%⁉ 豪ドルはどう動く?
本日はRBA理事会が開催される。9月のRBA議事要旨やロウ総裁の発言を受けて、RBAが利上げ幅を縮小させる可能性があると取り沙汰されている。市場では本日の利上げ幅は0.25%対0.50%で4対6程度と、どちらもあり得るとみているようだ。豪州の4-6月期CPIは6.1%、9月29日に公表された月次CPI(四半期CPIの補助的な立ち位置)を見ると、7月、8月のCPIはそれぞれ前年比+7.0%、+6.8%と四半期CPIが7-9月期も伸びていることを示唆している。インフレが上伸している可能性が高い中で、RBAが0.25%に利上げ幅を縮小した場合は、豪州のインフレが収まらないとの懸念が強まることとなりそうだ。また、日本を除く主要国は大幅利上げの手を緩めていない。RBAが利上げ幅を縮小することで、金融政策の面から見るとタカ派的な米、英、欧と比べて豪はハト派的と映ってしまう。そのため、豪ドルには強い売り圧力がかかってきそうだ。
0.50%利上げを継続した場合は、声明文から今後のRBAの姿勢を読み解くこととなる。仮に、近い将来の利上げ幅縮小が示唆される内容だったとすれば、豪ドル売りの材料となる。
RBAは9月に若干ながら将来的な金融政策に対して強気から一歩引いたスタンスを示した。国内経済に大きな変化がない現状で金融政策の見通しを変更することは考え辛い。そして、欧米経済の減速懸念が資源需要の減退へつながるとの思惑は根強い。基本的な豪ドル売りのスタンスはしばらく続きそうだ。
個別の想定シナリオ
■RBAが利上げ幅を縮める(0.25%利上げ)
⇒豪州のインフレは鈍化していないと指標が示唆
⇒豪州のインフレ加速懸念強まる
⇒豪ドルは売られやすくなる
チャート分析
今後の注目材料
12:30 RBAキャッシュレート(政策金利)
欧米の景気動向
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円と豪ドル/米ドルは共に曇り空に雨がパラついている。8時に豪ドル/米ドルのストキャスティクスとRSIで売りシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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