主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年8月8日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼5日(金)の為替相場
(1):RBA 金融政策報告発表
(2):台湾有事懸念 リスク回避の円買い
(3):米7月雇用統計 好結果
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:20日MAを上抜けるか注目/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
5日(金)の為替相場
期間:5日(金)午前6時10分~6日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):RBA 金融政策報告発表
豪中銀(RBA)は四半期に一度の金融政策報告を発表。インフレ率が約30年ぶりの高水準に向かっているため追加利上げが必要だとし、大幅な景気減速につながり経済の安定維持が困難になるとの認識を示した。RBAは2022年末の消費者物価指数(CPI)上昇率見通しを7.75%と5月時点の予想の5.9%から大幅に引き上げた一方、経済成長率見通しは3.25%と1%ポイント下方修正した。
(2):台湾有事懸念 リスク回避の円買い
中国外務省はペロシ米下院議長の台湾訪問を受けて、同議長と近親者に対する制裁を発表。また、軍事や司法、気候変動など8項目の米中協力について取り消しまたは停止すると発表した。有事に対する警戒感から一時リスク回避の円買いに傾いた。
(3):米7月雇用統計 好結果
米7月雇用統計では、非農業部門雇用者数は52.8万人増と、前月(39.8万人増)から増加幅が拡大し予想(25.0万人増)を大幅に上回った。失業率は3.5%と予想(3.6%)を下回り改善、平均時給は前月比で+0.5%、前年比+5.2%と予想(+0.3%、+4.9%)を上回った。この結果を受けて米国のリセッション(景気後退)懸念が和らぎ、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制に向けて積極的な利上げを続けるとの観測が浮上。米10年債利回りが2.8%台へと急伸すると、ドル/円も133.20円台から134.80円台へと急上昇した。米長期金利の上昇にもかかわらず米国株が底堅く推移する中、クロス円もドル/円につれて上昇した。
5日(金)の株・債券・商品市場
外為注文情報
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本日の見通し
ドル/円の見通し:20日MAを上抜けるか注目
5日のドル/円は米7月雇用統計の好結果を受けて135円台を回復した。米7月雇用統計は非農業部門雇用者数が予想の2倍以上となる52.8万人増を記録したほか、失業率は予想外に低下して過去50年で最低の3.5%に並んだ。平均時給も前年比+5.2%と予想を上回る伸びとなった。これを受けて米連邦準備制度理事会(FRB)が9月も75bp(0.75%ポイント)の利上げを継続するとの見方が強まり米債利回りが上昇する中、一時135.48円前後までドル高が進んだ。
世界的に景気減速懸念がくすぶる中でも米経済の相対的な強さが示されたことでドルが買われやすい流れが続きそうだ。
ドル/円は5日の上昇で日足一目均衡表の雲上限と転換線および基準線をまとめて突破しており、135.90円台を通る20日移動平均線を超えれば本格的な反発局面に入ると見られる。
注目の経済指標
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注目のイベント
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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