主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年7月29日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼28日(木)の為替相場
(1):月末に絡む輸出企業のドル売り観測
(2):豪小売売上高 予想下回る
(3):独CPI EU基準 予想に反し加速
(4):米4-6月GDP 予想外の落ち込み
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:月末最終日 不安定な相場展開に/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
28日(木)の為替相場
期間:28日(木)午前6時10分~29日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):月末に絡む輸出企業のドル売り観測
仲値公示後にドル売り・円買いが活発化。月末に絡む輸出企業のドル売り観測などが手掛かりとなった。節目の136.00円を下抜けて下げが加速するとクロス円でも円買いが強まった。
(2):豪小売売上高 予想下回る
豪6月小売売上高は前月比+0.2%と市場予想(+0.5%)を下回った。5月分は前月比+0.9%から+0.7%へ下方修正された。ドル/円の下げにつれて下落していた豪ドル/円は小売売上高の結果には大きな反応を見せなかった。
(3):独CPI EU基準 予想に反し加速
独7月消費者物価指数(CPI)・速報値は前年比+7.5%と、前月の+7.6%から小幅に伸びが鈍化したものの、市場予想(+7.4%)は上回った。欧州連合(EU)基準の7月CPIは前年比+8.5%と、予想(+8.1%)に反して前月の+8.2%から加速した。エネルギーと食品の大幅な値上がりがCPIを押し上げた。
(4):米4-6月GDP 予想外の落ち込み
米4-6月期国内総生産(GDP)は前期比年率-0.9%と予想外の落ち込み(予想+0.4%)となり、1-3月期(-1.6%)に続くマイナス成長となった。市場金利の上昇で住宅投資が大きく落ち込んだことが響いた。なお、米GDPの7割を占める個人消費は前期比年率+1.0%に減速した(予想+1.2%、前期+1.8%)。これを受けて米国の景気後退(リセッション)懸念が高まると、長期金利の低下とともにドル売りが加速。ドル/円は心理的節目の135.00円を下抜けて下げ足を速めた。クロス円はストレートドルの上昇が支えになったものの、ドル/円の大幅安につれて軟化した。
28日(木)の株・債券・商品市場
外為注文情報
【情報提供:外為どっとコム】
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本日の見通し
ドル/円の見通し:月末最終日 不安定な相場展開に
昨日のドル/円は終値ベースで約1.8%の大幅下落。東京市場で136円台を割り込むと、NY市場では心理的節目の135.00円も下抜けた。米4-6月期国内総生産(GDP)が予想外のマイナスとなったことで景気後退(リセッション)への懸念が増大。米債利回りの大幅低下とともに一時134.19円前後まで下値を切り下げた。
月末接近による手仕舞い売りがストップロスを相次いで誘発したと見られる。本日は、大幅安の反動でいくぶん値を戻す可能性もあるが、月末最終日だけに実需フローが中心の値動きになりやすく、不安定な相場展開が見込まれる。
上値のメドは135.20円前後。下値のメドは13週移動平均線が通る133.10円前後と見ている。
注目の経済指標
注目のイベント
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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