主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年7月5日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼4日(月)の為替相場
(1):独 1991年以来の貿易赤字
(2):ユーロ圏生産者物価指数 高水準を維持
(3):米大統領 中国への関税引き下げの可能性
(4):ユーロ圏要人 インフレへの見解示す
(5):米独立記念日 ドル/円135.78円前後まで上昇
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:136円台回復も視野に/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
4日(月)の為替相場
期間:4日(月)午前7時00分~5日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):独 1991年以来の貿易赤字
独5月貿易収支は予想(16億ユーロの黒字)に反して10億ユーロの赤字となった。ドイツの貿易赤字は1991年以来。ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格の高騰で輸入額が増加したことが影響した。
(2):ユーロ圏生産者物価指数 高水準を維持
ユーロ圏5月生産者物価指数は前年比+36.3%となり、予想(+36.6%)をわずかに下回ったものの、依然として歴史的な高水準を維持する結果となった。
(3):米大統領 中国への関税引き下げの可能性
バイデン米大統領が中国からの輸入品に対する一部の関税を引き下げる決定を今週にも発表する可能性があるとの一報が入った。まだ最終決定には至っておらず、発表時期はずれ込む可能性もあるとのこと。これを受け豪ドル/円が上昇すると、ドル/円にも買いが入った。ユーロ/円やポンド/円もやや強含んだ。
(4):ユーロ圏要人 インフレへの見解示す
ナーゲル独連銀総裁は「欧州中銀(ECB)の新たな危機対応ツールの使用に対して警告」「危機対策ツールに必要なものは例外的な状況」などと発言。ユーロ圏域内の債務国への支援策(国債利回り上昇抑制策)に異議を唱えた。 また「インフレ見通しはより高く修正される可能性が非常に高い」として、ECBはインフレとの戦いに焦点を当てるべきだと主張した。その後、デギンドスECB副総裁も「ここ数カ月、インフレ圧力が拡大し激化してきている」「高インフレが可処分所得に与える悪影響は、中期的な成長見通しに高いリスクをもたらす」との見解を示した。
(5):米独立記念日 ドル/円135.78円前後まで上昇
米国は独立記念日の祝日で株・債券市場が休場。為替市場の参加者は少なかったものの、ドル/円は135.78円前後まで上昇した。
4日(月)の株・債券・商品市場
外為注文情報
【情報提供:外為どっとコム】
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本日の見通し
ドル/円の見通し:136円台回復も視野に
昨日のドル/円は終値ベースで約0.3%上昇。持ち高調整と見られる売りが先行すると134.78円前後まで弱含んだが、欧州市場では135.78円前後まで反発した。米国が対中関税の引き下げを今週にも発表するとの一部報道で豪ドル/円などのクロス円が上昇した動きにつれた。
米国が祝日のためNYタイムは動意を欠いたが、今朝は135.80円台に続伸しており、先月30日以来の136円台回復も視野に入っている。上伸のカギは連休前に一時2.80%を割り込んだ米10年債利回りの動向だろう。利回りが反転上昇となれば136円台回復の可能性が高まりそうだ。米国の対中関税引き下げ報道を受けたアジア株の動きにも注目したい。
注目の経済指標
注目のイベント
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※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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