FX/為替「ドル/円、FOMC後に急落も上昇基調維持の公算」 外為トゥデイ 2022年6月16日号

外為トゥデイ

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2022年6月16日9時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼15日(水)の為替相場
(1):中国鉱工業生産 予想に反して上昇
(2):ECB臨時会合を開催
(3):ユーロ圏貿易収支 6カ月連続の赤字
(4):米経済指標 予想下回る結果
(5):FOMC 政策金利を75bp引き上げ
(6):FRB議長会見 ドル売りが活発化

▼15日(水)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:調整を終えれば、再上昇する公算/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

15日(水)の為替相場

期間:15日(水)午前6時10分~16日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):中国鉱工業生産 予想に反して上昇

中国5月小売売上高は前年比-6.7%となり予想(-7.1%)ほどには悪化しなかった。同鉱工業生産も前年比+0.7%と予想(-0.9%)に反して上昇した。

(2):ECB臨時会合を開催

欧州中央銀行(ECB)は本日、臨時会合を開くと発表。緊急利上げの思惑などからユーロは買いが強まったが、「最近の国債利回り急騰への対応を協議する」と伝わると伸び悩んだ。その後、ECBは臨時会合を終えて声明を発表。「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の再投資に柔軟性を適用する」などとして国債利回りの格差拡大によるユーロ圏市場の分断を防ぐ措置を検討すると表明した。

(3):ユーロ圏貿易収支 6カ月連続の赤字

ユーロ圏4月鉱工業生産は前月比+0.4%と予想(+0.5%)をわずかに下回った。同貿易収支はエネルギー輸入の増加を背景に324億ユーロの赤字(季節調整前)となった。貿易赤字は6カ月連続。

(4):米経済指標 予想下回る結果

米5月小売売上高は前月比-0.3%と予想(+0.1%)に反して低下。自動車を除いた売上高は前月比+0.5%と予想(+0.7%)に届かなかった。米6月NY連銀製造業景気指数も-1.2と市場予想(+2.3)を下回った。

(5):FOMC 政策金利を75bp引き上げ

米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利を1.50-1.75%へと75bp(0.75%ポイント)引き上げた。声明では「インフレ率はパンデミックに関連する需給の不均衡、エネルギー価格の上昇、より広範な価格圧力を反映し、引き続き高止まりしている」とし、インフレを2%の目標に戻すために「目標誘導レンジの継続的な引き上げが適切になると予想する」とした。同時に発表した経済金利見通しでは、2022年と2023年の国内総生産(GDP)成長率の予測を引き下げた一方、インフレ(PCEデフレーター)予測を引き上げた。また、2022年末の政策金利の予測を3.4%(従来1.9%)、23年末3.8%(従来2.8%)とし、一段と速いペースでの利上げを示唆した。

(6):FRB議長会見 ドル売りが活発化

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は記者会見で「インフレ動向は今回の大幅利上げを正当化する」と指摘した。今後については「今回の75bpの利上げが異例に大きな幅である事は明らかであり、この幅が一般的になるとは予想していない」と発言。米経済の先行きについては「ソフトランディング(軟着陸)は容易ではないだろうが、そこに至る道筋はある」と述べた。市場では、FRBの過度な引き締めに対する懸念が和らぎ、米国株が上昇した一方で米長期金利が低下するとともにドル売りが活発化。ドル/円は133.49円前後まで下落したが、クロス円はストレートドルの上昇を受けて底堅かった。

15日(水)の株・債券・商品市場

外為注文情報

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本日の見通し

ドル/円の見通し:調整を終えれば、再上昇する公算

昨日のドル/円は米連邦公開市場委員会(FOMC)後に急落。FOMCは通例の3倍にあたる75bp(0.75%)の利上げを発表したが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「この幅での利上げが普通になるとは想定していない」と述べたことで米長期金利が急低下する中、ドル売りが活発化した。早朝に135.58円前後まで上昇して24年ぶり高値を付けていたドル/円は、「出尽くし売り」に押されて一時133.49円前後へと下落した。

本日は、先週9日以降の下値支持である133円台前半を維持できるかが焦点となりそうだ。FOMCを通過した事で市場の関心は今日から始まる日銀金融政策決定会合に移るだろう。会合を前に、日銀は昨日も国債買い入れオペを増額するなど、大規模金融緩和を継続する姿勢をあらためて示した。日米金融政策の方向性の違いというテーマに変化は見られない。

ドル/円はFOMC後の調整を終えれば再び上昇する公算が大きいと見ている。

注目の経済指標

注目のイベント

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※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。

f:id:gaitamesk:20191106165135p:plain 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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