豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
日々、為替情報発信中!
目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・豪中銀(RBA)が消費者物価指数(CPI)のほかに注視するのが賃金指数。この賃金の伸びが前年比3%を超えるのをRBAは目安にしている。2021年10‐12月期前年比+2.3%。2022年1‐3月分は5月18日発表。
・3月分の豪雇用者数は1.79万人増と堅調ながらも予想の3.0万人増を下回る。
・4月27日発表の豪2022年1‐3月期 CPIは前年比+3.7%(トリム平均)とRBAの目標レンジ(2~3%)を突破。市場の予想(同+3.4%)を大きく上回る結果となった。
・5月3日のRBA理事会で政策金利を市場予想(0.25%)を上回る0.35%へ利上げを実施。保有国債については満期償還させる方針を明らかにした。
・5月6日に公表されたRBA四半期金融政策報告では、「今後さらなる利上げが必要となるだろう」と追加利上げを示唆。
・中国、上海では一部地域で新型コロナウイルスの規制を強化、依然としてロックダウンは解除の見通しはたっていない。北京でも規制が強化されてほぼロックダウン状態。当局は、実際に北京がロックダウンになるという観測を否定。上海市はロックダウン下で企業活動を再開するも、製造業の正常化はまだ先(5月15日)。
・WTI原油価格は、ロシア産天然ガスの欧州への供給量が減少したこと、EUがロシア産原油の禁輸方針であることなどから、エネルギーひっ迫懸念は続く。一時1バレル=110ドル台まで上昇(5月13日)。
今日のメインシナリオ
豪ドル/円に資源価格動向が再び影響を与え始めた可能性あり
世界的な経済減速への懸念や、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め加速への警戒感から世界的に株価が下落しやすい状況は続いている。豪ドル相場は、これまで株式市場の動向に大きく影響を受けていた。金曜日(5月13日)から原油価格をはじめとした資源価格の動向に影響を受け始めたことは気になる点だ。これまでも、EUのロシア産原油禁輸方針や、ロシアのEU向け天然ガス供給停止の可能性はエネルギー価格が高止まりする要因となってきたが、為替市場でも再び資源国通貨を支える材料として意識されつつあるようだ。
過去2カ月ほど、資源価格動向は為替相場の材料としては無視されがちだったが、ここにきて再び材料視され始めている可能性がある。今後も欧州のエネルギーひっ迫懸念が根強いため、エネルギー価格は底堅く推移することが考えられる。豪ドル/円は底堅いエネルギー価格動向に下支えされそうだ。
先週同様に、株式市場の動向が豪ドル相場を主導すると考えているが、資源価格動向も意識しておきたい。
個別の想定シナリオ
■米国の金融引き締め加速警戒
⇒米国市場を中心とした株価は下落しやすい
⇒豪ドルは株価の動向に敏感
⇒豪ドル/円は売られやすい
■EUを中心としたエネルギーひっ迫懸念
⇒エネルギー価格は底堅い
⇒豪資源国通貨の豪ドルを支える要因
チャート分析
今後の注目材料
世界的な株価動向
原油をはじめとしたエネルギー価格動向
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は雨、豪ドル/米ドルは曇りとなっている。豪ドル/円、豪ドル/米ドルのMACDで、13日の22時に買いシグナルが点灯。次のシグナルの点灯が待たれる。
【情報提供:外為どっとコム】
<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>
- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
経済指標カレンダーはコチラ
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。