FX/為替「ドル反落 利上げ『期待』をリセッション『懸念』が上回る」 外為トゥデイ 2022年5月12日号

外為トゥデイ

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2022年5月12日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼11日(水)の為替相場
(1):中国経済指標 予想上回る結果
(2):ECB総裁 利上げに関して述べる
(3):米4月CPI 予想上回る結果
(4):FRBによる積極的な金融引き締め継続観測

▼11日(水)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:131円台は戻り売りが強まりやすい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

11日(水)の為替相場

期間:11日(水)午前6時10分~12日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):中国経済指標 予想上回る結果

中国4月生産者物価指数(PPI)は前年比+8.0%と予想(+7.8%)を上回ったが前月(+8.3%)から伸びが鈍化。一方、中国4月消費者物価指数(CPI)は前年比+2.1%と予想(+1.8%)を上回り、前月(+1.5%)から加速した。新型コロナウイルス感染の拡大やロックダウン(都市封鎖)の影響で商品や燃料が値上がりした。

(2):ECB総裁 利上げに関して述べる

ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は、最初の利上げが新規の資産購入終了の「数週間後になるかもしれない」との考えを示した。総裁のタカ派的な見解を受けて一時ユーロ買いが優勢となた。

(3):米4月CPI 予想上回る結果

米4月CPIは前年比+8.3%と市場予想(+8.1%)を上回った。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数も前年比+6.2%と市場予想(+6.0%)を上回った。いずれも前月(+8.5%、+6.5%)から伸びが鈍化したものの、高インフレの長期化が示唆された。これを受けて米10年債利回りが3.0%台を回復して急上昇するとドル/円は130.81円前後まで急伸。しかし、高インフレの長期化で米景気がリセッション(景気後退)に陥るとの懸念から米10年債利回りが一転して2.9%台へと低下したためドル/円も一時130円台を割り込んで急反落した。

(4):FRBによる積極的な金融引き締め継続観測

リセッションを巡る懸念から米国株が下落。高インフレに対処するため米連邦準備制度理事会(FRB)が積極的な引き締めを継続するとの観測が株価の重しとなった。とりわけハイテク中心のナスダック指数の下げがきつく、この日は3%を超える下げ幅を記録。為替市場ではリスク回避の円買いが強まり、ドル/円やクロス円が続落した。

11日(水)の株・債券・商品市場

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本日の見通し

ドル/円の見通し:131円台は戻り売りが強まりやすい

昨日のドル/円は米4月消費者物価指数(CPI)の発表後に乱高下。CPIが前年比+8.3%となり予想(+8.1%)を上回ると米長期金利の上昇とともに130.81円前後まで急伸した。しかし、物価高によるリセッション(景気後退)への懸念などから、一転して米長期金利が低下すると130円台を割り込んで反落。米国株の下落を受けた円買いも入り、一時129.43円前後まで下値を拡大した。NYクローズにかけて130円台へと値を戻したが上値の重さは拭えない。

市場では、米国の利上げに対する「期待」より、利上げによるリセッションへの「懸念」が強いようだ。そうした中ではドル/円が131円台に近付けば戻り売りが強まりやすいと考えられる。

仮に昨日安値(129.43円前後)を割り込めば、次の下値支持と見られる128.70円付近まで下値余地が広がりそうだ。なお、本日のNY市場では米4月生産者物価指数(PPI)が発表される。

注目の経済指標

注目のイベント

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f:id:gaitamesk:20191106165135p:plain 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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