目次
▼16日(水)の為替相場
(1):英コアCPIは統計開始以降最大の伸び
(2):リスク回避の動きが和らぐ
(3):ウクライナ情勢を懸念して円買い優勢
(4):FOMC議事録を受けてドル弱含む
16日(水)の為替相場
期間:16日(水)午前7時10分~17日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):英コアCPIは統計開始以降最大の伸び
英1月消費者物価指数(CPI)は前月比-0.1%、前年比+5.5%と予想(-0.2%、+5.4%)を上回った。なお、前年比の伸びは1992年3月以来約30年ぶりの大きさとなった。エネルギー・食品・アルコール・たばこを除くコアCPIも前年比+4.4%と、1997年の統計開始以降で最高の伸びを記録した。
(2):リスク回避の動きが和らぐ
前日のロシア軍の一部撤収を受けてウクライナ情勢を巡る過度な緊張が緩和する中、ユーロが上昇。欧州株が高寄りした事もあってユーロ/円は131.90円前後まで強含んだ。また、独10年債利回りは2018年12月以来の高水準となる0.33%前後へと上昇した。なお、その後に発表されたユーロ圏12月鉱工業生産は前月比+1.2%と予想(+0.3%)を上回った。
(3):ウクライナ情勢を懸念して円買い優勢
米1月小売売上高は前月比+3.8%と予想(+2.0%)を大幅に上回った。自動車を除いた売上高も前月比+3.3%と予想(+1.0%)以上に伸びた。これを受けて一時ドル買いが強まったが、直後にブリンケン米国務長官が「ロシア軍の撤収は確認していない。ウクライナ国境には今なお非常に脅威的な形で集結している」と述べた事が伝わると、一転して円買いが強まった。
(4):FOMC議事録を受けてドル弱含む
米連邦公開市場委員会(FOMC)は1月会合の議事録を公表。「インフレが予想通りに鈍化しない場合、現在の想定より早いペースで緩和策を解除する事が適切になる」と大半の参加者が指摘した事が分かった。また幾人かのメンバーは「状況から判断していずれ年内にバランスシートの規模縮小を開始する事が正当化される可能性が高い」とコメントした。市場は、3月FOMCでの50bp(0.50%ポイント)利上げや、バランスシート縮小の早期開始を示唆する内容ではないと受け止めた模様で、米長期金利が低下するとともにドル/円は115.36円前後まで下落した。ただ、FOMC議事録を受けて米国株が下げ幅を縮小する中、クロス円が強含んだためドル/円の下値は限られた。
16日(水)の株・債券・商品市場
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本日の見通し
ドル/円の見通し:決め手を欠く展開が続く
昨日のドル/円相場は終値ベースで0.1%下落。欧州市場で115.79円前後まで強含んだものの、NY市場ではウクライナ情勢を巡る楽観的な見方が後退した事や、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の公表後に米長期金利が低下した事から115.36円前後へと反落した。ブリンケン米国務長官はウクライナ国境付近に展開中のロシア軍について「撤収は確認していない」と発言。FOMC議事録は「インフレが予想通りに鈍化しない場合、現在の想定より早いペースで緩和策を解除する事が適切になる」としたものの、3月会合での50bp(0.50%ポイント)の利上げや、バランスシート縮小の早期開始を示唆する内容ではないと受け止められた。
もっとも、ウクライナ情勢やFOMC議事録については、いずれも市場の想定の範囲内だったと見られ、本日のドル/円相場に大きな影響が残る公算は小さいだろう。本日も116.00円に接近すれば上値が重い反面、115.00円に近付けば下値が堅いと見られ、決め手を欠く相場展開が続きそうだ。
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