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クロス円の上値を重くする、欧州の物価不安と英国政治の揺らぎ 来週の為替予想(ユーロ/円 ポンド/円) ハロンズ FX 2026/3/7 #外為ドキッ

 

執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2026年3月6日 16時00分

クロス円の上値を重くする、欧州の物価不安と英国政治の揺らぎ

ユーロ/円・ポンド/円は上値限定ながらも

ユーロ/円とポンド/円は上値の重い展開でした。有事の米ドル買いが進展したことで、ユーロやポンドが対ドルで冴えない展開となったことが影響しました。ユーロ/円は182.029円まで下落し、ポンド/円は209.184円まで水準を下げました。もっとも、交易条件悪化に伴う円安の流れもあり、ユーロ/円、ポンド/円の下げ幅は限定されました。

(各レート水準は執筆時点のもの)

欧州通貨は不安定な値動き継続か

■ユーロの見通し

中東情勢の悪化は、ユーロ圏に物価上昇と景気の弱さが同時に進む「スタグフレーション」への懸念を強めています。市場はこれまで年後半のECB利下げを前提にしてきましたが、原油高でその見方も崩れ始めています。原油高で物価が押し上げられると、ECBは利下げに慎重にならざるを得ません。

一方で、高金利を維持すればエネルギーコストの上昇に苦しむ景気には負担がかかり、結果的にユーロ売りにつながる展開も考えられます。こうした相反する要因が重なることで、ユーロの方向感はつかみにくい状況が続きそうです。

また、円買い戻しのリスクも意識する必要があります。軍事行動が激化して世界的に株安が広がるような場面では、これまで金利差を背景に積み上がっていた円売りポジションが一気に解消される可能性があります。この巻き戻しはスピードが速く、ユーロ/円の下押し要因として無視できません。

 

■ポンドの見通し

ポンド/円の戻り売りが意識されやすい背景には、足元の政治情勢が相場の重しとして強く作用している点があります。英国では政権運営への不信感がくすぶり続けており、経済指標が良好でも上昇が長続きしにくい一方、指標が弱ければ「政治不安」と「景気減速」が重なり、下方向への圧力が強まる構図です。特に財政規律や選挙時期をめぐる不透明感は海外投資家の慎重姿勢を誘いやすく、205円方向への調整リスクを常に抱えています。

加えて、米ドル/円では為替介入への警戒感が根強く、クロス円全体の上値を抑える要因になっています。ポンド/円もその影響を避けられず、政治リスクと介入警戒が重なることで、上値は心理的にも実需面でも重くなりやすい状況です。

ユーロ/円とポンド/円(テクニカル分析)

ユーロ/円:押し目は180.50まで引き付けてから

ユーロ/円は長期の上昇トレンドを維持しつつ、短期では20日線付近でのもみ合いが続くエネルギー蓄積局面にあります。ボリンジャーバンド(20日)はスクイーズが進み、中心線付近での小動きが続いているため、近く上下どちらかに大きく動き出す可能性が高まっています。

サポートは180.80と心理的節目の180.00、レジスタンスは+2σ付近(185.35)と186.67が意識され、どちらを先に抜けるかが次のトレンド方向を決める重要ポイントです。上方向のブレイクを狙うなら、186.67を実体で上抜けた場合に検討し、押し目買いを狙うなら180.50付近まで引き付ける感じにしたいと考えています。

 

■ポンド/円:212円突破で追随買い
ポンド/円は、長期の上昇トレンドを維持しつつ、短期では20日線付近でのレンジに入り、次の方向性を探る局面にあります。ボリンジャーバンド(20日)はスクイーズ気味で、エネルギーを蓄積している状態です。上値は212円、下値は207.22円が重要な節目で、どちらを先に抜けるかが次のトレンドを決めます。上抜け狙いなら、212円を明確に突破してくるのを待って追随買いとなり、下抜け狙いなら207.22円の明確な下割れから売りを検討。レンジ内は静観とし、ブレイクを待ちたいです。

【ユーロ/円チャート 日足】

EUR/JPY 日足(外為どっとコムTradingViewチャート)

出典:外為どっとコム「TradingViewチャート」
予想レンジ:EUR/JPY:180.500-186.000

【ポンド/円チャート 日足】

外為どっとコム「TradingViewチャート」

出典:外為どっとコム「TradingViewチャート」
予想レンジ:GBP/JPY:207.000-213.500

2026年3月9日~3月13日の重要経済指標・イベントスケジュール

未定(週内)

  • G7財務相・中央銀行総裁会議(週内)
  • トランプ関税の15%への引き上げ観測

3月9日(月)

  • 8:30 日本 1月毎月勤労統計調査・現金給与総額

3月10日(火)

  • 8:50 日本 10–12月期 四半期実質国内総生産(GDP、改定値)

3月11日(水)

  • 8:50 日本 2月国内企業物価指数
  • 16:00 ドイツ 2月消費者物価指数(CPI、改定値)
  • 21:30 アメリカ 2月消費者物価指数(CPI)
  • 翌3:00 アメリカ 2月月次財政収支

3月12日(木)

  • 8:50 日本 1–3月期 四半期法人企業景気予測調査
  • 8:50 日本 対外対内証券売買契約等の状況
  • 21:30 アメリカ 1月貿易収支
  • 21:30 アメリカ 新規失業保険申請件数

3月13日(金)

  • 16:00 イギリス 1月月次国内総生産(GDP)
  • 16:00 イギリス 1月貿易収支
  • 19:00 ユーロ圏 1月鉱工業生産
  • 21:30 アメリカ 10–12月期 四半期実質国内総生産(GDP、改定値)
  • 21:30 アメリカ 10–12月期 コアPCE(改定値)
  • 21:30 アメリカ 1月個人消費支出(PCE)
  • 21:30 アメリカ 1月耐久財受注
  • 23:00 アメリカ 3月ミシガン大学消費者態度指数・速報値
  • 23:00 アメリカ 1月雇用動態調査(JOLTS)求人件数

 

外為どっとコム「経済指標カレンダー」


一言コメント

3月の日銀利上げはなくなった感じですが、昨年と同様に中東ショックの企業収益への見極めと言って、利上げ時期が遅れるのでしょうか。

 
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