目次
▼9日(木)の為替相場
(1):中国CPIとPPIはまちまちの結果
(2):ECB理事会を受けたユーロ買いは一時的
(3):ECB理事会の中では米指標への反応は限定的
(4):米長期金利と米国株の低下で弱含み
9日(木)の為替相場
期間:9日(木)午前6時10分~10日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国CPIとPPIはまちまちの結果
中国8月消費者物価指数(CPI)は前年比+0.8%と前月(+1.0%)から伸びが鈍化した一方、中国8月生産者物価指数(PPI)は前年比+9.5%に加速(前月+9.0%)した。市場予想はCPIが+1.0%、PPIが+9.0%だった。
(2):ECB理事会を受けたユーロ買いは一時的
欧州中銀(ECB)は予想通りに政策金利(0.00%)及び預金ファシリティ金利(-0.50%)の据え置きを決定。声明では「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)のペースを小幅に減速する」と表明した。ユーロは小幅に買いが先行したが、PEPP減速も織り込み済みとあって買いは続かなかった。
その後、ラガルド総裁が会見し「経済は年末にはコロナ危機前の水準を回復するだろう」としながらも「パンデミックの悪化、サプライチェーンの逼迫の長期化などで、景気回復基調が弱まるリスクもある」と指摘。PEPPについては「3カ月に一度の微調整でテーパリングではない」との見解を示した。これを受けてユーロは下落した。
なお、ECBが発表したスタッフ予測では、2021年のインフレ率見通しを2.2%(従来1.9%)、22年は1.7%とした。GDP成長率見通しは21年が5.0%(従来4.6%)、22年は4.6%(従来4.7%)とした。
(3):ECB理事会の中では米指標への反応は限定的
米新規失業保険申請件数は31.0万件と予想(33.5万件)を下回り、2020年3月中旬以来の水準に改善した。ただ、ラガルドECB総裁の会見中でドルの反応は限定的だった。
(4):米長期金利と米国株の低下で弱含み
米30年債入札(240億ドル)は、応札倍率が前回を上回るなど順調に消化された。これを受けて米10年債利回りが低下幅を拡大し、1.30%を割り込むとドル/円は109.62円前後まで下値を切り下げた。
S&P500が4日続落するなど米国株が軟調に推移する中、クロス円も弱含みで推移した。
9日(木)の株・債券・商品市場
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本日の見通し
ドル/円の見通し:レンジ継続の公算
昨日のドル/円は終値ベースで約0.5%下落。米長期金利の低下を受けてドル売りが強まった。米30年債入札が順調に消化された事で10年債利回りが1.30%を割り込んで低下すると109.62円前後まで下値を拡大した。米10年債利回りはここ1カ月間、およそ1.21%から1.38%のレンジで推移しており、今回も上抜けに失敗した格好だ。米10年債利回りがレンジ色を強めるのと歩調を合わせてドル/円も109円台後半から110円台前半の狭いレンジで推移している。
本日は米8月生産者物価指数(PPI)に注目したい。市場予想は前年比+8.2%となっており、統計が現行の集計方式に変わった2010年以降で最高の伸びになると見られている。PPIが大幅に予想を下回らなければ、米10年債利回りが直近レンジの下限(1.21%前後)に向けて低下する展開にはなりにくいだろう。ドル/円の下値も限られる公算で109.40-50円台は引き続きサポートになりそうだ。
注目の経済指標
注目のイベント
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