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「米景気減速懸念で米大幅利下げ観測で金(ゴールド)が上昇!米雇用統計で加速か?|週刊 米ドルと相性抜群ランキング 2024/9/8

 

外為どっとコムが提供するCFDサービス「CFDネクスト」の各銘柄(WTI原油、金スポット、銀スポット、天然ガス)と米ドルの「相性」(相関性)をランキング形式でまとめました。銘柄ごとの変動要因についても簡素にまとめています。

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉

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「米ドルとの相性抜群ランキング」(過去1週間の対米ドルでの相関係数)

順位 CFD銘柄 相関係数
1 金スポット -0.76
2 天然ガス -0.53
3 銀スポット -0.42
4 WTI原油 0.58

集計期間中(8/30~9/5)米ドルと負の相関が強かったCFD銘柄は金スポットだった。米国の経済指標に弱い結果が目立ち、米景気減速懸念がたかまったため、運用資産の逃避先として金スポットが買われた。金スポット価格は再び2500ドル台に乗せ、史上最高値更新の機会を窺っている。6日発表の米雇用統計(※執筆時点では発表前)次第では、早い段階での最高値到達が期待できる状況だ。

また米ドルの他通貨に対する相対的な強弱を示すドルインデックスは期間中に0.58%下落した。


※米ドル建てで取引される資源は一般的に米ドルの動向と負の相関(逆相関)が強いと言われている
数値が-1.0に近いほど米ドルの動きが直近の価格動向に影響を与えていたと考えられる
※資源価格は需給など様々な材料の影響で変動するため、必ずしも米ドルと負の相関関係が続くわけではない

WIT原油の変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:WTI原油価格は、米中の景気減速懸念で年初来安値を更新

原油相場の変動要因は以下の通り

NEW!・期間中のWTI原油は8.80%下落した
NEW!・米エネルギー省の週報で米国内の原油在庫は大幅に取り崩された。一方でガソリンの在庫は予想に反して積み増されていた
NEW!・米中の経済指標に弱いものが目立ち、両国の景気減速懸念が原油需要の減退懸念につながった
NEW!・アフリカの主要産油国であるリビアは前週に東部地区の油田の閉鎖と生産、輸出の停止を発表したが、問題解決に向けた協議に進展が見られた
NEW!・石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成されるOPECプラスは10月から計画されていた供給拡大を2カ月遅らせる方針を決めた
    ・レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラがイスラエルに大規模攻撃を実施した。これにより中東の地政学リスクが高まっている
    ・石油輸出国機構(OPEC)プラスは6月2日の閣僚級会合で今年末までの予定だった協調減産を2025年末まで継続することで合意した 

天然ガスの変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:天然ガスは、予想ほど国内在庫が増加せず

天然ガス相場の変動要因は以下の通り

NEW!・期間中の天然ガスは7.85%上昇した
NEW!・米エネルギー情報局(EIA)の週報では、米国内の天然ガス貯蔵量は13Bcfの増加。市場予想は26.55Bcfの増加だった。過去5年平均を約11%上回っている(8/30時点)
※Bcf=10億立方フィート
    ・米国内のLNG施設の停止で、米国内で供給過剰が起きている
    ・米バイデン政権は2024年1月にLNGが環境に与える影響を評価するためにLNGを新たに輸出する際の許可を一時的に凍結    

金(ゴールド)スポットの変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:金(ゴールド)スポット価格は、米国景気悪化懸念が支え

金(ゴールド)スポット相場の変動要因は以下の通り

NEW!・期間中の金スポット価格は0.81%下落した
NEW!・米国の景気減速懸念による大幅利下げ観測により、運用資産の逃避先として金の需要が高まった
    ・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、8月23日のジャクソンホール会議での講演で、米国の9月利下げ開始を事実上宣言した
    ・金価格は8月29日に一時1トロイオンス=2538.70ドルまで上昇し史上最高値を更新した
    ・中東やウクライナの紛争による先行き不透明感により逃避先としての金の需要が増している
    ・中国やインドでの需要は引き続き強い
     

銀スポットの変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:銀スポット価格は、米ドル安の流れに乗る

銀スポット相場の変動要因は以下の通り

NEW!・期間中の銀スポット価格は1.97%下落した
    ・中国の製造業の回復と太陽光パネルの需要増加から銀価格の上昇を後押し
    ・金同様に装飾需要がある
    ・幅広い産業需要があり、需要の5割以上が工業用需要。そのため経済が上向くと銀の需要が増える
    ・太陽光パネルなど幅広く使われているため、ここ数年は供給不足気味
    ・価格が低い分変動率が大きくなってしまう

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nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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