ドル/円、155円を前に神経質な動き…国際会議期間中の為替介入は困難?
東京市場のドル/円は、154円台後半で伸び悩みました。心理的節目の155.00円が強く意識される中、前日に付けた約34年ぶり高値(154.78円前後)を前に154.74円前後で失速。午後には154.40円台に小緩む場面もありました。なお、日韓財務相会談にて「急激な為替変動には適切な措置、認識を確認」と両国が通貨安などについて話したことが伝わるも相場には影響が見られませんでした。
前日のパウエル議長ら米連邦準備制度理事会(FRB)メンバーによる発言を受けて、市場では米国の利下げ開始は9月まで後ずれするとの見方に傾きつつあります。こうしたことから、本日もドル高主導の相場展開が続きそうです。ただ、ドル/円が155円台に接近すると本邦当局による円買い介入への警戒感がいっそう高まると見られ、値動きが荒くなる場面も増えるでしょう。他方で本日からG20財務相・中央銀行総裁会議が開催されます。国際会議期間中の為替介入は困難との見方もあるようです。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、152.00円を突破してからは上昇の勢いが強まり5日連続で高値を更新し陽線で終えています。本日も底堅く新高値を試す可能性が考えられます。ただ、RSIが70ライン上で下向きになっています。やや上昇の勢いが緩んだ状況と見られ高値を更新しても155円を前に伸び悩む可能性もあります。しかし、上昇基調途中のため一時的な下落場面は押し目買いポイントと見ることができるでしょう。事前にポイントを絞っておきましょう。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
4/17(水)
20:00 南ア2月小売売上高
21:05 グリーン英MPC委員講演
22:00 チポローネECB専務理事講演
23:30 EIA週間原油在庫統計
24:00 デコス・スペイン中銀総裁講演
24:45 シュナーベルECB専務理事講演
25:00☆ベイリーBOE総裁講演
26:00 米20年債入札(130億ドル)
27:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
27:00☆ラガルドECB総裁講演
27:00 ハスケル英MPC委員講演
29:00 米2月証券投資
----- G20財務相・中央銀行総裁会議(~18日)
----- ユーロ圏臨時首脳会議(~18日)
4/18(木)
06:30 メスター米クリーブランド連銀総裁講演
08:15 ボウマンFRB理事講演
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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