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FX「常在戦場、金融危機と戦争危機の違いでのリスク回避の違い」

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総括

FX「常在戦場、金融危機と戦争危機の違いでのリスク回避の違い」

ドル円=150-155、ユーロ円=160-165、ユーロドル=1.04-1.09

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨10位(11位)、株価2位(2位)、マイナス金利終了と貿易赤字縮小で円安も落ち着く」
(金融危機より長引く戦争危機)
 世界中で紛争が起きている。日本もいつ平和が打ち破られるかもしれない。緊張感を持ちたい。先週からイランのイスラエルへの報復攻撃観測の報道があり、市場ではリスク回避の流れであったが、実際に週末にイランのイスラエル攻撃が始まった(現時点ではイランの攻撃は止まっている)。
 先週金曜日はドル高円高(クロス円は円高)、株安、金利低下(米国債)、原油は高止まりとなった。実際にイランの攻撃が始まったのでこの動きが加速するのか。世界がどう流れを止めようとするのか、注視し続けたい。金融危機は、支援する国、組織があれば解決する。数年で終わる例が多い。戦争は感情の問題であり長引く。数十年、数百年と続く。世界が分断され、意見、思想が同種のものだけの経済体制をとるしかない。現在のサプライチェーン立て直し、米国へのニアショアリングなどもその現象だろう。

(世銀IMF総会とG20財務相・中銀総裁会議)
 さて、円相場は、マイナス金利の終了と、貿易赤字の縮小で円安が一服している。これに国際情勢が加わってくる。今週は3月貿易統計の発表がある。世銀IMF総会やG20財務相中銀総裁会合がある。日本を除けば為替で悩んでいる国はないので、円安是正の声明はないだろう。ただドル高で途上国の債務返済が苦しくなっているので、それについて関連声明が出るかもしれない。

(秋の利上げ議論観測)
 日本の3月消費者物価が発表されるが、予想も2%後半で高止まりなので、来週の日銀政策決定会合ではインフレ見通し上方修正や秋の利上げについて議論が始まる(事情に詳しい関係者から)という報道も影響しよう。為替介入は国際情勢が流動的な中なので、実施することは無用の混乱を引き起こすだろう。

*米ドル「通貨2位(2位)、株価(NYダウ)16位(9位)、臨戦態勢。有事のドル・国債買いあるも株価は下落」
(米債はどこへ。利下げ観測後退の米債売り VS 有事の米債買い)
 イランのイスラエル攻撃が始まり、有事のドル買い、米国債買い、米株売りが続くかどうか。そうなれば世界もリスク回避の流れとなる。米国は物価高止まりで利下げ観測が後退したが、リスク回避の米国債買いが出れば長期金利は売り買い交錯となる。

(フェッドウオッチ)
 CMEの「Fed Watch」によると、FRBが5月金利を据え置く確率は98.3%、6月の据え置き確率は72.3%となっている。 米地区連銀総裁達も一斉に、「インフレ率が目標水準に回帰するにはまだ時間がかかるとし、政策金利を引き下げる可能性が高いものの、インフレを巡る不確実性とリスクを考えると、そうする前に時間をかける必要がある」と述べている。
 一方、米株価は、大幅安。米主要銀行が発表した期待外れの決算を受けた。

(インフレ期待上昇)
 米ミシガン大4月の消費者信頼感指数は77.9と3月の79.4から低下した。今後1年およびそれ以降のインフレ期待は高まっていることが示された。
 景気軌道に大きな影響を与えるとみられる大統領選を踏まえ、多くの消費者が景気動向の判断を保留している。
 1年先の期待インフレ率は3月の2.9%から3.1%に上昇。パンデミック前2年間の2.3-3.0%の範囲をわずかに上回った。5年先の期待インフレ率も3月の2.8%から3.0%に上昇した。

*ユーロ「通貨5位(5位)、株価7位(4位)DAX)、6月利下げ観測強まる」
(ECB利下げ観測と有事のドル買いでユーロ下落)
 利下げ観測と、中東緊張による有事のドル買いで、ユーロドルは週足で陰線、1.08代後半から1.06台前半へ下落した。先週は12通貨で最弱通貨、ただ年間では5位と中位に位置している。

(ラガルド総裁 成長見通し低い)
 ラガルドECB総裁は、政策金利を据え置いた後、「ECBはFRBに依存しているのではなく、データに依存している」と発言、FRBと関係なく早期利下げに踏み切る可能性を示唆した。ラガルド総裁は、また「経済成長に対するリスクは引き続き下振れ傾向にある。金融政策の効果が予想以上に強まれば、成長率は低下する可能性がある」、「基調的なインフレ指標の大半は2月にさらに低下し、物価上昇圧力が徐々に弱まっているという状況を裏付けた。労働市場の逼迫は徐々に緩和し続けている」とした。

(2%台のインフレでいよいよ利下げ準備)
 ECBはインフレ率が引き続き鈍化していることを踏まえ、6月の理事会で主要政策金利を引き下げる方針を固めているようだ。3月の消費者物価はユーロ圏、独ともに2%台だ。米国の3%台とは異なるディスインフレ環境だ。

*ポンド「通貨4位(3位)、株価9位(14位)、リセッション逃れる兆しも、有事のドル買いでポンド下落」
(米利下げ観測後退と有事のドル買いでポンドが弱い)
 米利下げ観測後退と有事のドル買いで今月はここまでポンドが弱い。年間でもドルにある意味連動する人民元に抜かれ4位に後退した。

(リセッションから立ち直るか)
 前回も触れたが、昨年後半のリセッションから立ち直る兆しが出ている。
2月の国内総生産(GDP)は前月比0.1%増加。2カ月連続で増加し、昨年後半に陥った浅いリセッションら脱却する兆し。 1月分は0.2%増から0.3%増に上方修正。2月までの3カ月間は0.2%増と1月の0%から加速し、昨年8月以来の高い伸びとなった。2024年1Q成長率は英中銀の予想である0.1%をわずかに上回る見込みで、中銀は利下げに慎重な姿勢を強める可能性が高い。ハント財務相は、経済が好転しつつあるという歓迎すべき兆しだと指摘した。ただGDPは増加に転じたが、景気後退に入る前の2023年6月の水準を下回っている。

(今週は重要週)
 今週は2月雇用統計、3月消費者物価、3月小売売上の発表がある重要週だ。英中銀ベイリー総裁、ブリーデン副総裁、ハスケル委員などが発言する。

*豪ドル「通貨8位(8位)、株価10位(13位)、有事のドル高円高で対円100円維持できず」
(100円台維持できず)
 豪ドルは12通貨中下位で低迷しているが、円よりは強く一時100円台に乗せたが、高まる中東緊張で有事の米ドル買い・円買い・豪ドル売りが出て再び100円割れとなった。RBAは3月のRBA理事会の議事要旨で、「インフレ率が合理的な時間軸で目標の2-3%に戻ると十分確信できるようになるにはしばらく時間がかかるとし、利下げを急がない」姿勢を示唆した。

(経済指標は強くない)
 経済指標は強くない。4月消費者信頼感指数は、前月から2.4%低下して82.4だった。中立は100。ここ2年近く消費者心理を支配してきた悲観論はいまだ収束の兆しをほとんど見せていない。
3月企業景況感指数は前月比1ポイント低下のプラス9となった。高金利を背景に売上高や雇用の指数が横ばいだった。一方、価格上昇圧力はやや緩和した。「景気が底堅さを維持する中でも、企業はなお先行きにやや懸念を抱いている」と指摘された。

(今週は雇用統計)
 今週は3月雇用統計の発表。失業率は前月の3.7%から3.9%上昇、新規雇用者数は11.65万人から1万人の増加に縮小する弱い目の予想だ。

*NZドル「通貨9位(9位)、株価14位(16位)、景気後退も利下げできない苦しさ」
(景気後退も利下げできない)
 NZドルは下位で推移している。景気はリセッションだが、インフレ高止まりで苦しい。ただそれでも円よりは強い。NZ中銀は、政策金利を6会合連続で5.5%に据え置いた。これまでの利上げが景気減速や物価高抑制に寄与したとの見方を改めて示す一方、インフレはなお目標を上回っていると指摘した。 消費者物価上昇率を目標レンジ(1─3%)に戻すため、金利を制約的な水準で当面維持する必要があるとの意見で一致した。
ただ景気は弱い。1Qの企業信頼感は前期から悪化。 業況全般が「改善する」と回答した企業から「悪化する」と回答した企業を引いた割合はマイナス25%。前期はマイナス2%だった。
 部門を超えた需要低迷から、1Qは企業の人員削減が相次ぎ、今後数カ月の採用や投資も慎重になった。

(焦点はCPI)
 次の焦点は。4月17日発表の消費者物価。前期は前年比4.7%上昇、予想は4.0%上昇。

テクニカル分析

*ドル円「ボリバン2σ上限も下ヒゲ長い強さ」
日足、ボリバン3σ下限から2σ上限へ。同レベルで推移。4月10日-12日の上昇ラインがサポート。ボリバン2σ上限が上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、年初来高値圏で推移。4月1日週-8日週の上昇ラインがサポート。ボリバン2σ上限が上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、3か月連続陽線。4月もここまで陽線。1月-3月の上昇ラインがサポート。5か月線、20か月線上向き。
年足、3年連続陽線、今年もここまで陽線。151円後半がトリプルトップ。22年-23年の上昇ラインがサポート。1985年-2022年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロドル「ボリバン3σ下限へ急落」
日足、4月9日の長い上ヒゲから3連続陰線でボリバン3σ下限へ。雲の下。23年10月3日-24年4月12日の上昇ラインがサポート。4月10日-12日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、雲中へ大きく沈む。ボリバン2σ下限下抜く。10月2日週-4月8日週の上昇ラインがサポート。3月18日週-4月8日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20日線下向き。
月足、2月は下ヒゲ、3月は上ヒゲでほぼ寄り引き同時。雲の下。4月は2月-3月の上昇ラインを下抜ける。12月-3月の下降ラインが上値抵抗。5か月線下向く、20か月線上向き。
年足、2023年は陽線。ドルより強かった。22年はボリバン2σ下限到達し長い下ヒゲでサポ―ト。今年は陰線スタート。22年-23年の上昇ラインを下抜く。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円「ボリバン3σ下限へ急落」
日足、ボリバン3σ下限へ急落。4月2日-11日の上昇ラインを下抜く。3月12日-4月8日の上昇ラインがサポート。4月11日-12日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向く、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ上限から小反落。3月11日週-4月8日週の上昇ラインがサポート。3月18日週-4月8日週の下降ラインが上値抵抗。5週線上向き、20週線下向く。
月足、3か月連続陽線。今月は伸び悩む。2月-3月の上昇ラインがサポート。2008年8月-2024年3月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線上向き。
年足、4年連続陽線。24年も陽線スタート。22年-23年の上昇ラインがサポート。08年-23年の下降ラインが上値抵抗。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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