オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
目次
- ▼今日の豪ドル トレードシナリオ
- 昨日から現在までの相場
- 今日のメインシナリオは
- この先の個別相場変動
- 豪ドル/円 最新チャート分析
- 今後の注目経済指標・イベント
- 「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
今日の豪ドル トレードシナリオ
昨日から現在までの相場
・10月19日発表の豪9月雇用統計は、雇用者数が市場予想(2.00万人増)を大きく下回る0.67万人の増加だった。失業率は3.6%へ低下、労働参加率は66.7%へ低下した。
・NY原油先物市場は続伸。イスラエル軍によるガザ地区侵攻が近いとの見方から、中東の情勢悪化懸念で原油が買われた。終値は前営業日比+1.05ドルの1バレル=89.37ドル(10月19日)。
・10月3日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利は4.10%で据え置きとなった。
・9月27日に発表された豪8月月次消費者物価指数(CPI)は前年比+5.2%(前月+4.9%)だった。7月26日に発表された豪4-6月期CPIは前年比+6.0%となり、前四半期(+7.0%)から鈍化した。
今日のメインシナリオは
中国のサプライズ利下げに注意!豪ドルは上昇になる?
昨日発表された豪9月雇用統計はRBAの追加利上げ期待を高める内容ではなかった。ただし、RBAが最重要視しているのはCPIのため豪9月雇用統計の結果が豪ドル相場へ影響を与えたのは一時的なものだった。
本日は中国人民銀行(PBOC)が1年物と5年物のローンプライムレート(最優遇貸出金利:LPR)を公表する。先週、LPRの指針となる中期貸出制度(MLF)の金利を据え置いた。そのため、市場はLPRも据え置かれる(1年物 3.45%、5年物 4.20%)と予想している。10月18日に発表された中国7‐9月期国内総生産や9月小売売上高は市場予想を上回り、中国経済の過度な減速を懸念していた市場を安心させた。他方で、10月13日に発表された中国9月CPIは前年比±0.00%となり、中国経済に過熱感がないことを示していた。本日発表のLPRは前述の通り市場予想は据え置きだが、利下げの可能性も僅かながら残っているため注意したい。
その他では米国の10年債利回り動向に注意が必要だ。米国の金利が高水準で長期間維持されるとの見通しや、米財政悪化懸念などにより米10年債利回りは2007年以来となる5%手前まで上伸している。本日も米10年債利回りが上昇するようであれば、豪ドルは対米ドルで下落することになるだろう。
この先の個別相場変動
■PBOCがLPRを引き下げる
⇒市場はほとんど予想していない
⇒中国の景気回復期待が高まる
⇒豪州は中国と交易関係が強い
⇒豪ドルは買われる
豪ドル円 最新チャート分析
今後の注目経済指標・イベント
中国LPR
中東情勢
米長期金利動向
「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに曇り。4時に豪ドル/円のストキャスティクスで売りシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>
- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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