主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年9月13日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼12日(火)の為替相場
(1):本邦国債入札は無難に消化
(2):英失業率は上昇
(3):ECB利上げ確率上昇
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米CPIが利上げ再開の期待を高めるか注目/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
12日(火)の為替相場
期間:12日(火)午前6時10分~13日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦国債入札は無難に消化
財務相が実施した5年物国債入札は落札金利こそ上昇したものの、応札倍率は前回を上回った。警戒されたほど需要は弱まらず無難に消化されたとの見方から長期金利は上げ幅を縮小。円相場はその後、緩やかに下落した。
(2):英失業率は上昇
英8月失業率は4.0%、失業保険申請件数は0.09万件(前回4.0%、0.73万件)だった。国際労働機関(ILO)基準の5-7月失業率は4.3%で予想通りに前回(4.2%)から上昇。5-7月週平均賃金(除賞与)も予想通りに前年比+7.8%と、3カ月連続で過去最高水準で高止まりした。ポンドは英賃金の高止まりを受けて英中銀(BOE)が利上げを継続するとの観測で上昇したが、失業率の悪化が重しとなり伸び悩んだ。
(3):ECB利上げ確率上昇
独9月ZEW景気期待指数は-11.4と市場予想(-15.0)に反して前月(-12.3)からやや持ち直した。これを受けてユーロ/円はこの日の安値圏から反発。ドイツの景気不安を払しょくするには至らなかったもの、欧州中銀(ECB)が14日に25bp(0.25%ポイント)の利上げを決めるとの見方が徐々に広がったためユーロが強含んだ。ユーロ圏金利先物市場ではECBの25bp利上げ確率が前日の約40%から約50%へと上昇した。
12日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:米CPIが利上げ再開の期待を高めるか注目
昨日のドル/円は147円台を回復。原油高を受けて米インフレが高止まりするとの観測が広がる中、一昨日の下落の反動と見られる買い戻しが入った。NY市場で一時147.23円前後まで上昇したが、米8月消費者物価指数(CPI)の発表を控えて米長期金利が小幅な動きにとどまったため、買い一巡後は伸び悩んだ。
本日発表される米8月CPIは、前年比+3.6%と前月の+3.2%から伸びが加速すると予想されている。一方、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年比+4.3%に鈍化すると見られている(前月+4.7%)。NY原油(WTI)が10カ月ぶりの高値圏で推移する中、米CPIが堅調なら連邦準備制度理事会(FRB)による年内の利上げ再開をめぐる思惑が高まる可能性もある。
なお、市場はFRBが9月の利上げを見送る確率を90%以上、次々回11月については利上げ再開の可能性は40%前後あると見ている。本日の米8月CPIが、11月の利上げ期待を高める結果となるか注目したい。
注目の経済指標:米消費者物価指数
注目のイベント:特になし
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
経済指標・イベントの結果について
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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