主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年8月24日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼23日(水)の為替相場
(1):独、ユーロ圏PMI サービス業が50.0を割り込む
(2):英PMI受けてポンド売り強まる
(3):米PMIも悪化
(4):金利高も米住宅販売件数は堅調
(5):株価上昇で豪ドル買い
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:底堅い推移が見込まれる/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
23日(水)の為替相場
期間:23日(水)午前6時10分~24日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):独、ユーロ圏PMI サービス業が50.0を割り込む
独8月製造業PMI・速報値は39.1と予想(38.8)は上回ったものの、約3年ぶりの低水準だった前月(38.8)からの改善は小幅にとどまった。同サービス業PMI・速報値は47.3と予想(51.5)を下回り、拡大・縮小の分岐点である50.0を8カ月ぶりに下回った。これを受けてユーロは下落した。なお、その後に発表されたユーロ圏8月PMI・速報値は製造業が43.7(予想42.7、前回42.7)、サービス業が48.3(予想50.5、前回50.9)だった。
(2):英PMI受けてポンド売り強まる
英8月製造業PMI・速報値は42.5と予想(45.0)を下回り、前月(45.3)から低下。同サービス業PMI・速報値も48.7と予想(51.0)および前月(51.5)を下回って悪化した。これを受けてポンド売りが強まった。
(3):米PMIも悪化
米8月製造業PMI・速報値は47.0と予想(49.0)を下回り前月(49.0)から低下。同サービス業PMI・速報値も51.0と予想(52.2)および前月(52.3)を下回った。同総合PMIはかろうじて分岐点を上回る50.4に低下した(予想51.5、前回52.0)。これを受けてドルが下落した。
(4):金利高も米住宅販売件数は堅調
米7月新築住宅販売件数は年率換算71.4万件と市場予想(70.3万件)を上回った。一方で、この日は米国の30年物住宅ローン金利が2000年以来の高水準となる7.31%に上昇したことが伝わった。
(5):株価上昇で豪ドル買い
欧米PMIの発表後に米長期金利が低下したことを好感して米国株が上げ幅を拡大。ユーロや米ドルに対して豪ドルが上昇幅を拡大すると豪ドル/円も上昇に転じた。
23日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:底堅い推移が見込まれる
昨日のドル/円は144円台へと続落。ユーロ圏と米国の8月総合購買担当者景気指数(PMI)が悪化したことで米長期金利が急低下すると、145円台を割り込み144.54円前後まで下落した。もっとも、PMIの悪化を受けた長期金利の低下を好感する形で欧米株が上昇しており、市場が世界景気減速を懸念してリスク回避姿勢を強めている様子はない。米長期金利の大幅低下については、今週22日に10年債利回りが16年ぶりの水準まで上昇した反動と見られ、ドルの下落についても一過性と見るのが妥当だろう。
明日25日に米ジャクソンホールで行われる講演でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がタカ派姿勢を示すとの見方も根強い。本日のドル/円は144.20円前後を通る20日移動平均線と145.40円前後の5日移動平均線の間で底堅い推移が見込まれる。
注目の経済指標:米耐久財受注
注目のイベント:ジャクソンホール会議
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経済指標・イベントの結果について
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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